るぅと君*1 ページ40
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ころちゃんとAが話してるところを見た。
行こうかな、と思ったけど
なんか仲良さそうに話してたからほおっといた。
『…』
虚無感。
正直何も考えたくない。
一人の教室に座って、適当に窓の外をぼーっと眺めた。
昔は、あいつのこと新しい遊び相手くらいにしか思ってなかったのに。
あいつが他の男と会ったり、話したり、二人きりだったりすると
腹が立つ。
『ははっ。』
なんだ、僕
あいつのこと好きなんじゃん。
今までこんなことなかったのに。
別にたいして顔が良いわけでもないし、頭だってそんなに良くないし、バカだし、ドジだし。
ま、そんなバカを好きになる僕も僕でバカなんだろうけど。
…帰ろ。
立ち上がって、鞄を乱暴に持つ。
「あ、あの…るぅと君…」
そいつは教室のドアに立ってた。
…はぁ。
『なに?』
「えっ、いや…今日は一緒じゃないのかなーって、帰り…」
目を反らしながら言うA。
僕と帰りたいの?
ころちゃんと何話してた?
とかいう疑問が、頭ん中で回る。
別に、聞いてどうこうする訳じゃないけど。
『僕、今日は一人で帰るから。』
所詮、逃げてるだけのダッサい男ってわけ。僕も。
「ま、待って!」
Aは僕の手を思いっきり掴んだ。
離そうと思ったけど離れない。
女子に力で負けた気がしてメンタルやられたのはここだけの秘密。
「待って下さい…話したいことがあるんです…っ」
別に僕もそこまで酷い人間じゃないはずだから待つっちゃ待つ。
そろそろ彼女止めたい、とかかな。
別にもとから強制して付き合ってるわけ…だけど、別れるときはきっぱり別れるって言ってある。
それが、Aのほうからだったとしてもね。
まぁこれはしょうがない。
でも先に言われるのは色々とプライドが許さないからそれっぽく言ってあげる。
『…別れろ、って話?』
驚いたような顔をしたあと下をむいて、ブンブン頭をふるA。
え、違うの?
「ちょっとでいいんです…聞いてください」
泣きそうなのか、声がのぼずるA。
意味分かんない。なんで泣いてんの。
『…聞いてる。』
僕、目の前で泣かれるの、嫌いなんだよね。
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日 - ギャグ混じりやん。。。www好きぃwwww (2022年9月17日 18時) (レス) @page46 id: 0464914362 (このIDを非表示/違反報告)
薔薇 - 凄いおもしろかったです!個人的になんかさとみくんがおもしろくて好き…www (2020年10月17日 23時) (レス) id: 59e14c9c3d (このIDを非表示/違反報告)
きゅーり - おもしろかった (2020年9月12日 10時) (レス) id: a394905174 (このIDを非表示/違反報告)
くまくまちゃん(プロフ) - んー、この小説好きやわ。小説というか作者さん好きだわ! (2020年4月9日 10時) (レス) id: 5e524d6ee1 (このIDを非表示/違反報告)
くまくまちゃん(プロフ) - 壁ドゴンw (2020年4月9日 10時) (レス) id: 5e524d6ee1 (このIDを非表示/違反報告)
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