【ジェル】王子達に好かれてしまった【るぅと】 (ページ18)

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『まぁ泊めるのはいいけどさ…
さとみ君どこで寝るの？さすがに中学の時みたいに一緒に寝るとかは…』

「ああ、おかまいなく。寝る時はうち帰って寝るね。だからそれまでお世話んなります。」

急に丁寧に頭を下げるさとみ君。

あ、はい。お世話します。

『んー。…あ、そういえば』

聞こうとしたけど、一旦踏みとどまる。

聞いていいのかな？るぅと君と仲良かったんだね。的なこと聞こうとしたんだけど。

るぅと君、なんか意味ありげに話してたしなぁ。「僕“は”そう思ってるけど」って。はぁ。

「…？どした？」

身を乗り出して聞いてくるさとみ君。

…やめておこう。もしそういう事情とかあったらもっと気まずくなるかもだしね。

『ううん、なんでもない。』

それになんか言われそうだし。

中学の時、好きな男の子の話してたらめっちゃ拗ねられたんだよね。「なんで俺といるのに他の男の話すんの」って。彼氏かって思ったけど。

そうなったときのさとみ君話しかけずらいからそれ以来男の子の話はしたことないですぶいぶい。

「…そ？
あー、おばさーん！俺お風呂借りていー？」

「いいわよー！でももうすぐでご飯出来るから早めにね！」

「分かっためぅ」

こんな可愛くないギャル語はじめて。

**

あのあとご飯食べたさとみ君は「じゃ俺そろそろ帰るわ」って言って家出てった。

私はお母さんに言われて、すぐ近くだけど送ることになった。ほんと五十歩歩いたらつく距離だけど。

『うーっ…さむっ…』

「SORENA！」

『もう10月だよ？時間たつの早すぎ』

「いやほんとSORENA」

さっきから謎にギャル語を使いまくるさとみ君に若干ウける。

「こういうときってさー、鍵無くて結局一緒に寝るっていうのがアニメの定番だよね。」

『鍵は？』

「残念、ここにある。」

なんで私が残念がっていると思ったのかが不思議でたまんないわ。

ていうかそんな少女漫画展開もうこりごりのゴリゴーリ…最近そういうの多すぎです！！

ガチャ、ガチャガチャ。

なかなか開かない扉にモヤモヤしつつ、さとみ君の手元を見る。

『さとみ君？…どしたの？』

さとみ君はホラー映画かのようにゆっくりこちらを振り返って言った。

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「鍵…間違えちゃった。」

ホラー映画ばりに背筋凍った。