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永瀬さんの薄く茶色い瞳が、
不安げに揺れる。
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「…ふふふ」
永瀬『……』
眉を下げてこちらを見つめる永瀬さんに
私は思わず笑みがこぼれた。
永瀬『…なんで笑うん。』
「…だって、急にそんな事言うから。…ふふ」
永瀬『……』
私の手をそっと取り
優しく握られる。
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永瀬『…言って。』
「……」
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温かく細い指が私の手に絡まり
行き場の無い不安のようなものが伝ってきて、
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「永瀬さんが、好き。」
永瀬『……』
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そう言うと、
グイッと手を引っ張られ抱きしめられる。
「な、ちょっと永瀬さん、ここ病院」
永瀬『俺の方が好き。』
「……！？」
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好きって、
なんかもどかしいね。
一日中ずっと考えて
好きな気持ちは抑えられなくて
だからちょっとだけ不安で。
「…どうしたの？」
永瀬『……』
「…何かあった？」
永瀬『何も無いよ。』
早く誰にも邪魔をされない場所で
思いっきり好きと言い合って
ちょっとした不安の隙間も
埋められるような時間を共有したい。
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すぐに身体を離して
私達はある程度の距離を保つ。
永瀬『部屋、戻ろ。』
「…うん。」
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もう少しの辛抱だから。
永瀬さん、早く治してね。
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作者名：ayu
| 作成日時：2020年10月23日 20時
