～小さな世界～【永瀬廉】２ (ページ17)

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kaito side…

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Aが異動した理由。

永瀬さんもおそらく気付いてると思うけど

そう。

リーダーの好き嫌いで決まった異動。

単純にAは

リーダーによく思われていなかったという事。

最初聞いた時は俺も許せなくて

何度か上の人に言ってやろうかと思った。

同期が居なくなる寂しさも勿論あったけど

それ以上にAは、

他の誰よりもここで頑張っていたから。

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でも、

『昨日の夜、Aが俺に言ったんだよ。』

永瀬『……』

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『誰にどう思われたっていい。

私の事をちゃんと見てくれる人が居るからって。』

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大事な人を思い浮かべるように

幸せそうな顔をしてAはそう言っていた。

別に良いんだけどね。

俺には関係ないんだけど。

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なんでだろうね

ちょっと妬けた。

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『永瀬さんがここで誰に何をしようが勝手だけど、

その結果が、Aを傷つける事になるなら、

俺は永瀬さんを許さないよ。』

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そう言うと

永瀬さんはゆっくりと下を向いた。

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その顔、Aと全く同じ。

大切な人を思い浮かべる、温かい表情。

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『フハハッ、ニヤニヤしてる？』

永瀬『……』

『あ。ごめんなさい。』

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なんかこの二人見てたら

ちょっと恥ずかしいけど、

一生懸命に生きたくなった。

本気で誰かを愛してみたくなった。

俺もいつか

自分の事より相手を想えるような

そんな人になりたいと思った。

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永瀬『あのさぁ…』

『ん？』

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まぁまぁまぁまぁ。

たしかに俺今、

めちゃくちゃ良い事言ったよ。

だから俺に感謝するのは分かるけど、

照れるからやめてよ？

今更ありがとうとか言わないでよ？

ふふふ

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永瀬『お前ちょいちょいタメ口やなぁ。俺に。』

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え？

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永瀬『ずっと気になっとってんけど。』

『あ、ごめんなさい。』

永瀬『そやろ。』

『はい。ごめんなさい。』

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結局この人は優しいの？

それとも優しくないの？

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