～小さな世界～【永瀬廉】２ (ページ16)

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60 Kaito side ページ16

kaito side…

「海ちゃーーん！！今日飲み行こうよ！」

『あぁーー、いいですよぉ～』

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ナースステーションでは

今日飲みに行こ～

と盛り上がる先輩達。

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はぁ～ぁ。

Aが居ないと、

なんかつまんない。

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Aが異動して、

まだ1日も経っていないというのに

『…はぁー』

なんかすでに物足りない。

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頬杖をつきながら

やるせ無い気持ちのまま

備品発注をダラダラとしていた時、

.

永瀬『小僧』

『ぅわぁぁお！！！……』

永瀬『……』

.

両手を上げて驚く俺を

カウンターから冷めた目つきで眺める永瀬さん。

いつも急なんだよなぁ。

『えぇーー…っと、』

そして小僧…ってのは、

.

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『…俺？』

永瀬『お前しかおらんやろ。』

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え、…もう怒ってんじゃん。

俺なんもしてないよ？

永瀬さんは顎を使い

ちょっと来い

と言うような合図を残して

そのままその場から松葉杖を使い消えて行った。

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ついに

ヤられるのでしょうか僕。

.

.

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ガラガラガラ～

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『…なんでしょうか。』

ある程度の距離を保ちながら

俺は恐る恐る永瀬さんに声をかける。

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ベットにお尻だけを乗せて座り

怖い顔をしてこちらを見ている永瀬さんは、

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『…用がないなら、』

永瀬『なんでAが異動なったん？』

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はいはい

これが聞きたくて

わざわざ小僧を呼び出して

永瀬さんもAにベタ惚れだねぇ～

熱いですねぇ～

『さぁ～、知らないですよ』

永瀬『そんなんええから。知ってるやろ。』

『…や、だから』

永瀬『早よ教えて。』

この人、図太いんだよなぁ。

Aの事になると恐ろしい程の執着を見せてくる。

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『…知ってどうするんですか？』

永瀬『さぁ。』

.

ずる！！

それは言わないんだ。

恐ろしくて、聞きたくもないけど。

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でも、

永瀬『Aしばいた奴となんか関係』

『何も言わないよ俺は。』

永瀬『……』

今日の俺は

あの時みたいに口が滑ったりはしないよ？

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