～小さな世界～【永瀬廉】 (ページ30)

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髙橋『AAAAーー！！』

「…なになに！？」

泣きべそをかいて飛び付いてきた海人は

私の肩に手を置いて情け無い顔をする。

髙橋『…な、永瀬さんがやばい！！』

私は、心臓のどこかで嫌な音がした。

一気に冷や汗をかく。

「永瀬さんがどうしたの！」

髙橋『…こ、こ、殺そうとしてるぅ～～！！』

「……はい？」

だけどあまりにも不気味な事をいうので

現実味が無くなり、肩の力が抜けた。

また海人の事だから、

よく分からない事で騒ぎ立てているだけだと

私はまた別の仕事をしようとした時、

髙橋『ごめん！リーダーの事、口が滑って…』

「……」

髙橋『永瀬さん…なんか怒っちゃって…』

「海人。」

髙橋『本当ごめん！言うつもりは無かったんだよ！』

私は海人を睨みつける。

髙橋『…ごめんなしゃい。』

内部事情を患者様に話してんじゃないよ馬鹿。

特に、永瀬さんには聞かれたくなかったよ。

あの日、泣いちゃったし。

心配を更に煽ってしまった。

髙橋『リーダー呼んで来いって。』

「そんな事出来るわけないでしょ。」

髙橋『…だよね。』

もぉ。

これは私がなんとか永瀬さんの怒りを

抑えるしかない。

すると、

髙橋『…てか一個だけ言ってい？』

「……なに」

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急に声を小さくして

海人は私の耳元で言った。

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髙橋『A、永瀬さんに相当惚れられてんね。』

もぉ、びっくりしたよ俺～

と呑気に髪を掻きながら言う海人。

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なんて言おうかと頭でぐるぐると考えながら

永瀬さんの部屋の前に辿り着く。

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＿＿だから、迷惑じゃないよ。

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私、あの日ちゃんと眠れなかった。

永瀬さんの熱い眼差しや、低い声。

握られた手の温もりがどうしても忘れられなくて。

いつもと違った緊張感があった。

胸をちょっとだけ高ぶらせて、

落ち着かせるように深呼吸をした。

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ガラガラ～

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「永瀬さん、おはようございます。」

永瀬『……！』

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大人しくスープを飲んでいた様子の永瀬さんは

目を丸くしてこちらを捉えた。

「食事中、すいません。」

永瀬『…んや、ええよ。』

私は静かにベットの方へ近づき

ゆっくりと椅子に座った。

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