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「……」
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永瀬さんの慰め方は
ちょっと心臓に悪いな。
「…大丈夫です。ありがとうございます。」
永瀬『…あかん？』
「あかんです。」
永瀬『……』
それも、割と本気で言うものだから…
さっきまで何で泣いていたのか
一瞬忘れそうになった。
「永瀬さん、…さっきの事は忘れて下さいね。」
永瀬『……』
「もう、大丈夫ですから。」
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どこか不満げな顔をする永瀬さん
私はそれを、ふふふ、と笑い誤魔化した。
でも、
永瀬『じゃあ俺が寝るまでおって。』
「……」
永瀬『A、明日休みやろ？』
今日の永瀬さんはしぶとかった。
そしてよく私の勤務日を覚えてるな。
永瀬『それもあかん？』
「…もぉ。」
なんて言いながら
また椅子に座る私も私なんだが。
「…じゃあ、永瀬さんが眠るまで。」
永瀬『…んふふ、じゃあ寝えへん。』
「はい？…ふふ、寝てください。」
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カーテンの隙間から
青い光が差し込む。
今日はやけに静かな、夏の夜
部屋の中はまるで真っ暗な水槽のよう。
とてもゆったりとした時間が流れた。
偽善者
自己満足
たしかに、そうかもしれない。
自分の為に相手を想う。
それは、いけない事なのか。
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「…永瀬さんは、…迷惑ですか？」
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まだ眠れないのか
目がぱっちりと開いている永瀬さんに
ゆっくりと話しかけてみた。
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永瀬『…ん？』
「…早く元気になって欲しいと思う気持ちは、」
永瀬『……』
「永瀬さんにとって、…迷惑ですか？」
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＿＿もうすぐ、リハビリも始まりますよ。
＿＿頑張りましょうね、永瀬さん。
＿＿早く外れるといいですね。ギブス。
私のこういう前向きな言葉に、
必ずと言っていい程
暗い顔をする永瀬さん。
私はやはり、間違っているのだろうか。
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すると永瀬さんは天を見上げたまま
こんな事を口にした。
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.
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永瀬『死にたいと思った事ある？』
.
「……」
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私は、耳を塞ぎたくなった。
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作者名：ayu
| 作成日時：2020年10月19日 11時
