～幼馴染と私～【永瀬廉】２ (ページ3)

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「…お母さん早くしてってば。」

淡いブルーの浴衣

緩く纏めた髪に飾りを付けて。

はい出来た！！っと

浴衣の帯でリボンを作り終えた母は

私の背中を軽く叩く。

「いってきます！！」

すでにマンションの下で待たせている人の事を思い

急いで家を出た。

浴衣を着てお祭りに行くのも

こんな髪型をするのも初めてで

なんだかソワソワする。

ドキドキと落ち着かない心を

なんとか深呼吸で紛らわし、

胸に手を置いて

よしっと小さく気合いを入れた。

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「…ご、ごめん待った！？」

マンションの下

待ちくたびれた様子のその人は

気怠そうに立ち上がり

視線の先をこちらに向けた途端、

目を大きく見開き、動きを止めた。

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「浴衣着せてもらうのに時間かかってっちゃって。」

永瀬『………』

「…ごめん。」

私の姿をまじまじと見た後

廉は何か言いたそうにするも

永瀬『…おっそ。』

「……。」

感想くらい言いなさいよ。

と、密かに心の中で不貞腐れる私。

永瀬『早よ行くで。』

「…え、…あっ！ちょっと待って。」

そのまま私から目を背けて

歩いて行こうとする廉を引き止めた。

「紫耀がまだ来てないよ？」

永瀬『…あーー、うん。』

「ん？」

永瀬『…いいねん。』

廉は気まずそうな顔をして

セットした自分の髪を触りながら言う。

永瀬『…二人で行ってこいって。』

「………。」

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＿＿頑張れよ

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昨日の紫耀の言葉を思い出し、

ギュッと胸を締め付ける。

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永瀬『…別に、俺と二人が嫌なら紫耀呼ぶけど。』

「……」

そう言って廉は

ポッケから携帯を取り出そうとするので

私は慌てて廉の腕を掴み、顔を見上げる。

「…嫌じゃない。」

永瀬『……。』

ゆっくりと解けていく廉の顔。

私もそれにつられて小さく微笑んだ。

嬉しそうに笑う廉の顔を見るだけで心が弾む。

永瀬『…んふふふ…じゃあ、行くか。』

「…うん。」

幼馴染を少し超えた微妙な関係に

お互いむず痒さと、少し照れを残したまま

私達は目的の場所へと向かった。

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