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「抱きしめていい？」
永瀬『…やめて。煩悩が復活するやんけ。』
「だって、…スキンシップはしたいじゃん。」
永瀬『いつも俺がしたら嫌がるくせに。』
そう言いながらも
私の身体をゆっくりと引き寄せて
優しく抱きしめてくれた。
「紫耀の前とかでするんだもん。」
永瀬『マウントよ、マウント。』
「やめて。」
永瀬『…んふふ、分かった。』
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カサカサ…
ん？
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廉が着ているTシャツの胸ポケットから
カサカサと音がしたので身体をちょっとだけ離す。
永瀬『なに？』
「ポッケに何入れてるの？」
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永瀬『……秘密。』
「…わっ！…ちょ、…苦しい」
秘密の物を隠す為なのか
今度は苦しい程に強く抱き寄せられる。
「…怪しい」
永瀬『怪しないわ。』
「…じゃあ、何隠してるのか教えてよ」
永瀬『お前は紫耀か。』
「はい？」
怪しい…
秘密なのにそんな分かりやすい所に入れて…
逆に怪しいよ。
「本当に見せてくれないの？」
永瀬『そんな顔でみんといて。』
「だって…」
廉の顔をじっと見つめて、訴える。
すると、
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永瀬『じゃあ、えっちする？』
「は、…はい？」
永瀬『ふふ、冗談。』
「…え、なに、どういう事？」
永瀬『お前といつかする為のお守りよ。』
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結局この後、
それを見せてくれる事はなかった。
だけど、
最後の言葉でなんとなく分かってしまい、
「…やだ！そんなのポッケに入れないでよ馬鹿！」
永瀬『しゃーないやん、そういう雰囲気になったら』
「ならない！！！」
永瀬『いやいや、さっきなったやろ。』
「別に、…なってない！！」
永瀬『なりましたーー、えろい顔しとったでお前。』
こんな言い合いをしながらも
2人きりの時間は、
刻一刻と過ぎていく。
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作者名：ayu
| 作成日時：2020年10月8日 14時
