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永瀬『…お邪魔しまーす。』
「ふふふ、どうぞどうぞ。」
今日は久しぶりに
廉が私の部屋に遊びに来た。
家には何度か入れた事はあるが
部屋の中に入ってくる事は殆どなかった。
だから妙にソワソワした廉が現れて
見た瞬間、クスッと笑みがこぼれた。
「今、お茶持ってくるね。」
永瀬『あっ、あのーー…さ。』
「ん？」
永瀬『…お母さん、…本間におらんの？』
実は昨日から先にお母さんは
名古屋の家に行っていた。
だから昨晩からはずっと1人なので
少しだけ心細くて寂しくて急遽、
廉に来てもらった。
「うん。名古屋に行っちゃったから。」
永瀬『…そっかそっか。』
「ふふふ、どうしたの？」
永瀬『え？なに？』
「……？」
変なの。
ずっと正座なんてしちゃって。
表情も硬いし。
緊張、してるのかな。
首を傾げながらも
私はリビングへ向かいお茶を入れに行く。
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.
.
「お待たせ。」
永瀬『ありがと』
「ふふふ、廉。足崩しなよ。」
永瀬『え？あーー…』
ずっと正座で待っていた廉は、
私の言葉でようやく胡座をかきはじめた。
永瀬『あれ俺？』
「ん？」
すると廉は
棚の上に飾ってある3人での写真を指差す。
私はゆっくり立ち上がりそれを手に取って
また、廉の隣に腰をかけた。
「小学生の時のだね。」
永瀬『うわぁー、くそキモいやん俺。』
「おたまじゃくし？」
永瀬『ハハハッ、やめろお前。』
ほんと、カッコよくなったね。
そう言いかけてやめた。
だって、変わりすぎだもん。
ちょっと、心配になるくらいに。
永瀬『お前も変わったなぁ。』
「これ小学生だよ？変わってるに決まってるじゃん」
永瀬『可愛いなった。』
「………。」
不意はやめて。
心臓に悪いから。
永瀬『んふふ、何照れてんの。』
「…別に照れてない。」
永瀬『フハハッ、可愛いなぁお前ほんま。』
廉は笑いながら私の頬をつねってくる。
「やめてよ、…バカ。」
永瀬『てか、なんか他ないん？写真。』
「え、あるよ！いっぱい！」
そう言って私は、
アルバムを取りに行こうと立ち上がったが、
「…っえ、ちょ、」
永瀬『うそ、全然興味ない。』
「はい？」
永瀬『行かんといて。』
と、私の手を引っ張り
廉はまた私を隣に座らせた。
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作者名：ayu
| 作成日時：2020年10月8日 14時
