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もう、明確だった。
「すぐ赤くなるね。」
永瀬『…触んな。』
「ふふふ、…恥ずかしい？」
永瀬『……だる、お前。』
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私は廉が好き。
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永瀬『…ちゅーすんぞ、腹立つ。』
「………。」
永瀬『んふふ、…嘘じゃ。』
別に嫌じゃない。
触れられる手も、向けられる熱い視線も、
近すぎる距離感も、声も、匂いも、
永瀬『紫耀が心配するから戻ろか。』
「……うん。」
華奢な身体も、柔らかい黒髪も、
筋の通った腕や手も、全部…
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私は思わず、廉の腕を掴み引き止める。
永瀬『…ぉっと、なに！？』
「………」
このタイミングじゃない事は分かってる。
まだ返事をする資格なんてない。
私には向き合わないといけない人が、
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＿＿ちゃんと一人の男として俺を見てほしい。
ちゃんと居るから。
でも、もうちょっとだけ。
もう少しだけ二人で居たい。
なんて思っちゃったんだもん。
永瀬『…なんやねん。』
「………ちょっとだけ、」
永瀬『え？』
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廉の腕を下にグイッと引っ張り
お互いの目線が同じ高さになった所で、
永瀬『…は、ちょっ…』
「…返事、期待して待ってて。」
永瀬『…え？』
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じっと廉の目を見つめて
永瀬『……』
「……」
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私は、
廉の唇にそっと触れるだけのキスをした。
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永瀬『………』
「………」
廉は、私の顔をじっと見て黙り込む。
私は急に恥ずかしくなり目をそらして、
「…戻ろ…っか。」
永瀬『………』
ほぼ放心状態の廉を無理矢理引っ張り、
紫耀の元へ連れて戻った。
平野『おっそ！』
「…ご、ごめん。」
平野『廉も急に居なくなるしびびったわ』
永瀬『……』
平野『廉？』
永瀬『……』
平野『れ〜ん。』
紫耀が指でツンツンしても微動だにしない廉。
平野『え、どうしたの廉。』
「…さ、さぁ。」
平野『………』
.
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平野『………。』
「………。」
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残り後、1週間＿＿
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別れの日が近づいてきた。
そしていよいよ、
「…今晩、紫耀と話したい。」
平野『………。』
.
決断をする時が＿＿
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作者名：ayu
| 作成日時：2020年9月29日 20時
