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するとすぐ近くから

なんとなく熱い視線を感じて

そちらに顔を向けてみると、






頬杖をついた廉が

何やら言いたげな顔をして

私の顔をじっと見ている。






.







「…な、なに。」


永瀬『……』


「……」






そしてすぐに視線をそらされた。






.






.







.







平野『…はああーーー、疲れたぁぁあ。』


「ねぇ今日はもうやめよ。頭回んない。」






なんだかんだで

英語、数学のテスト範囲を

ある程度頭に叩き込む事が出来た私達。






永瀬『俺、トイレ行ってくる』


平野『んー。』






ぐーーっと身体を伸ばして

ようやく永瀬鬼教師から解き放たれた私は

床に仰向けになって寝転ぶ。






「…疲れた。」


平野『お前、そんな所で寝るなよ?』


「ふふふ、分かってるよ。」






すると私の真似をするように

隣で一緒になって仰向けに寝転ぶ紫耀。






平野『A。』


「んー?」






顔だけをこちらに向けて

紫耀は穏やかに話し始める。






平野『絶対、会いに行くから俺。』


「え?」


平野『Aが遠くに行っても、会いに行くよ。』






そう言って優しく微笑むから

私も寂しく笑う。






平野『ねぇ、A。』


「なに?」





.






紫耀は私から目をそらし

そのまま天井を見つめる。






平野『廉に何言われたか知んないけどさぁ』


「………」






.






__もう我慢すんの辞めるわ俺。






.






平野『俺は廉みたいに計算が得意じゃないから、

だから、思った事そのまま言っていい?』






紫耀の横顔、声、言葉に

激しく心臓が鼓動し始める。

この後の紫耀の言葉が、想像出来てしまうから。






紫耀は上半身を起こして

私の上から見下ろしながら、






ゆっくりと口を開き、






.






平野『…俺さ、』


「……」






ガチャ






永瀬『……』


平野『……』






トイレから戻ってきた廉の表情に一切の温度は無く、

ただひたすらに紫耀を見下ろす。






一方で紫耀も、

そんな廉を睨みつけているような…






永瀬『なに?』


平野『いや?なにも。』






二人の間に変な空気が漂う。






今までとなんら変わらない空気

と、先程まではそう思っていたけれど、






やっぱりどこか






平野『廉さぁ、』


永瀬『…』


平野『本当にトイレ行った?』


永瀬『は?』






何かが違うような。






平野『戻って来んの早かったから。』

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設定タグ:永瀬廉 , 平野紫耀   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ayu | 作成日時:2020年9月29日 20時

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