～幼馴染と私～【永瀬廉】 (ページ43)

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43 Ren side ページ43

Ren side…

夕日が差し込む電車の中

遊び疲れた紫耀もAも、

首をカクカクさせながら寝てる。

隣の寝顔を覗いて見てみると

ちょっとだけ口を開けて眠るA。

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なんか、思い出すわ。

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気付けば昔からAには

ちょっかいばっかりかけてたな。

Aの嫌がる顔、怒った顔、

呆れた顔、恥ずかしそうな顔

それを見て楽しんでるのも正直あったけど、

俺がちゃんと最後に謝れば

フワッと優しい笑顔に戻る瞬間が好きで。

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Aを幼馴染としてではなく

Aを女として好きやと気付いた時、

もう、クソ頭抱えたよね。

一生片想いやし、一生叶わんし。

だから最初から諦めてた。

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でも態度にはやっぱり自然と出てまうのよ。

めっちゃ距離近なるし

無駄にAの手とか触りたなるし

彼氏でも無いのに独占欲強いし

まぁあと、

普通にえろい目で見てまうし。

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横にチラッと顔を向けると

Aの身体が紫耀に寄り掛かりそうになってて

思わず俺の眉間にシワがよる。

『………』

ぐらんぐらん揺れてるAの身体を

自分の方に寄せて、もたれさすと

コテンッとAの頭が俺の肩に乗り、

それで安定したのか少し表情が柔らかくなった。

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こいつ、本間に居らんくなんの？

まだ信じられへんわ。

東京と名古屋やから

別に会えるよ？会おうと思えば。

でも、ほとんど毎日一緒におってんで？

それが無くなるねんで？

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だらんと垂れたAの手。

『………』

一応紫耀の寝顔を確認した後、

俺はAの手をこっそり握る。

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居ればええやんお前だけでも。

東京に残れよ。

そう何度も言いかけた。

でも

高1の分際でこんな無責任な事言えるはずもなく、

グッと抑えて仕舞い込む日々。

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じゃあせめて。

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せめて俺の幼馴染、

じゃなくてさ。

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俺の彼女になって。

俺だけのものになってほしい。

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一生のお願い、

別にこれにかけてもええわ俺。

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肩に乗ったAの寝顔を上からじっくりと見た後、

若干潮の香りがまだ残るAの柔らかい髪に

気付かれないように、

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俺は、そっとキスをした。

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