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似てる?
貴方が、私と?
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永瀬『あとぉ、可愛いし。』
「……は?」
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私は、ずっと1人で生きていける。
誰かに頼って、頼られて、
何かに縋り付いて依存するのは
もう嫌だ。
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「廉…さん。」
『ん?』
だから私は、下を向いて
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「ごめんなさい。…帰って下さい。」
『……。』
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誠心誠意を込めて、
しっかりとお断りをした。
永瀬『ほんまに、あかん?』
「…本当にごめんなさい。」
永瀬『俺、こう見えてめっちゃ誠実やし』
「……。」
永瀬『本間に、マジで寝込み襲ったりもせんよ?』
「帰れ変態」
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何度、この光景を見れば気が済むの…
リュックを背負い、
肩を落として玄関へと向かう廉さんの背中。
永瀬『ほんまに行くところ無いのに…』
「……」
永瀬『…俺あと、この弁当しか命繋ぐもん無いのに』
「……」
永瀬『もう次は助けて貰える保証ないやん、だって』
ぶつぶつぶつぶつ…
ほんと嫌味ったらしい男だなぁ〜。
そう言いながら、
なかなか家の玄関から出ようとしない。
永瀬『…はぁ。』
「……。」
永瀬『もう俺…今日で人生終わってまうんか…』
「……。」
そしてついには、
その場にしゃがみ込んで座りだす。
「…は…ちょっ、廉さん?」
永瀬『1人ぼっちで、山の中。…俺は死ぬんや…』
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やめなさいよ、不謹慎な事言うの。
永瀬『…Aちゃんしか俺、頼れる人』
「ぁぁぁぁあああああ!!!!もぉ!!!!」
永瀬『っ!!』
ここ最近で1番声を張り上げた気がする。
苛立ちと、めんどくさいが絶頂を超えてしまい
ついに私も、冷静ではなくなったようで
「わーかったよ!住めばいいんでしょ住めば!」
永瀬『……マジ?』
「てか、これを言うまで帰る気無かったじゃん!」
永瀬『フハハハハッ!…あれ?バレとった?』
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言ってしまった…
最悪だ。
ほんと、最悪の展開だ。
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「…どこが誠実よ」
永瀬『ふふっ、まぁそうカリカリせんと。』
「あんたのせいでしょ!!」
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作者名:ayu | 作成日時:2020年9月15日 10時