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「期限は、1か月。」
永瀬『いや、1年。』
「は？」
永瀬『1年間って決まっちゃってんのよ。』
いやいや、長ぇーーよ。
決まってるとか、知らねぇーーよ。
「あと、何の為にここで暮らす必要があるのか
それもちゃんと説明してほしいです。」
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何がしたいのかさっぱりだし
わざわざこんな場所で居座る必要が
到底無さそうな身なり。
永瀬『言ったら怒るやん。』
「…もう、ずっと怒ってます。」
永瀬『フハハハッ！ほんまや。』
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んーーー、っとその理由とやらを
どう説明するかと考える顔をして
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永瀬『まぁ〜、しばしのお暇ってやつ？』
「……。」
私はこんな人と今日から本当に
暮らして行けるのだろうか。
不安しかなかったけど
何故最後まで断りきれなかったのか。
それはきっと、
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＿＿Aちゃん、おやすみ。
まだ昨日の、あの懐かしい感覚が
心の何処かで疼いて離れなかったから。
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私は、彼を猫だと思う事にした。
勝手に家の中に入ってきて、
居心地の良い場所を見つけて一休みをする。
どこか懐っこくて、
私の行く場所をトコトコと付いてきて、
でも、つまらなくなったら、
またどこか楽しい場所を探し消えて行く。
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永瀬『なぁ、この自転車ってまだ使ってるん？』
「んー？あぁー、それはねぇ＿＿」
自由奔放で、気分屋な猫。
廉は、猫なのだ。
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永瀬『これ、お母さんのやつなん？』
「うん、だから全然使ってないよ。錆び錆びだね。」
永瀬『ふーん。じゃあ俺これ使っていい？』
「いいよ。あ！錆びた所、拭き取ってあげようか。」
廉がうちに来て、1週間程が経った。
永瀬『よし、これでAの田んぼ行けるやん俺』
「ふふっ、廉そんなに行きたかったの？」
永瀬『んふふふ、めっちゃ行きたかった！』
1週間も経てば、お互い呼び捨てになる。
永瀬『A〜、錆び取れたぁ〜？』
「んー、どう？」
永瀬『おっ、めっちゃええ感じ！』
そして、
1週間しか経っていないというのに、
廉はこの村に、驚くほど馴染むのが早かった。
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作者名：ayu
| 作成日時：2020年9月15日 10時
