～恋するオタク～【永瀬廉】２ (ページ42)

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やけに騒がしい部室に駆け寄ると

部屋は乱雑に荒らされていた。

「お前なんか金で利用してやってたんだよ！

勘違いすんなよ、仲良いなんてありねぇからな！

生意気だわ、上から目線だわ、世間しらずだわ、

我慢して連んでやってたんだよ！なぁ？お前ら」

ボーッと立っている永瀬とは反対に

息を上げて顔を真っ赤にしながら怒り狂う男の人。

永瀬に指を差し、次から次へと

不愉快な言葉を響かせる。

「ふっ、それになんだよ廉。

お前毎日こそこそここで何やってるかと思いきや

マジ？笑超ウケるんだけど！！

お前アイドルの追っかけとかやってんの？アハハッ！

え、その顔で？オタク？まじ？しかも、…

優太様って…あはははははっ！！やべ、涙出てきた」

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言い返したいし、許せない

人を馬鹿にして、最低。

なのに、

「…永瀬、」

永瀬は、ずっと無反応だった。

ねぇ、なにか言い返しなよ。

言われたい放題で悔しくて

私の方が泣きそうになる。

永瀬はゆっくりしゃがんで座り、ある物を拾う。

それは私が書いたポスターだ。

優しく手で汚れを払い、

それを見て、永瀬は眉を下げる。

「おい、廉。なんか言えよ。

オタクってバレて動揺してんのか？ハハハッ！

大丈夫大丈夫。ちゃーんと俺が言いふらすから。

学校中の奴らに笑われんだろうなぁー！廉！」

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男は、永瀬の元に向かう。

もう歯止めが効かなくなったのか

永瀬の髪をガシッと掴んで、雑に頭を揺らした。

「おい、無視か？」

永瀬『……』

「ふふ、腹立つわーー。その余裕ぶった顔。」

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「金しかねぇーくせにイキってんじっ…！！」

永瀬『っ！？……』

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私はこの時、ほぼ無意識だった。

教室の椅子を持ち上げて、

ボロボロに泣いてた事もあんまり覚えてないし、

男の近くにそれを思いっきり投げた記憶もないし、

そのあと言った言葉も、ほとんど

「永瀬に触るなぁ！！！…っ、…

それ以上永瀬を傷つけるような事言ったら

…っ、私が許さないからね！！……

お前に分かってたまるか！

永瀬の事なんも知らないくせにぃ！…」

「このブス！！ゴリラ！！…アホ！馬鹿！！

出て行け！そこの女も！皆出てけぇええええ！！！」

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永瀬『……』

髙橋『……』

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