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如月「今日は、もうお休み下さいA様」
「いや、でも…」
如月「大丈夫ですよ。いつもありがとうございます」
今日は早く上がらせてくれた。
如月さんに頭を下げて、広い廊下を歩いて行く。
お言葉に甘えて、先にお風呂に入り
私は大きな部屋でだらんと寛いだ。
しかし深夜12時を過ぎたあたりで
恒例の足音が聞こえてくる。
カチャッと扉を開けて
ちょこちょこと歩いてやってきたのは
見るまでもなく永瀬だ。
「…また寝れない？」
永瀬『…うん。寝れない。』
「…もぉ」
なんて言ってはいるが
深夜に現る永瀬とやらを
実は心なしか楽しみにしている自分が居た。
何故なら、
.
永瀬『んふふ、今日も学校楽しかったなぁー』
「ふふ、そうだね。笑」
永瀬『俺さ、Aと今度行きたい所あんねん！』
「ん？」
永瀬『なんかなぁー、新宿の方に＿＿』
私の腰に腕を巻き付けて
膝枕のまま永瀬は、とても嬉しそうに話をする。
無垢な瞳で、真っ白な心で
私を見上げて時折優しく笑う。
母性、多分私は今、
永瀬に母性をくすぐられているのだ。
永瀬『行こ？』
「ふふ、いいよ。」
永瀬『ほんまに！？嬉しい』
真っ白な歯を見せてヒヒッと笑う永瀬。
普段こんな笑い方、絶対しないもんなぁ。
心なしか、私の話し方も柔らかくなる。
無意識に、永瀬の頭を撫でたりなんかもする。
「じゃあ、そろそろ寝よっか」
永瀬『A』
「んー？」
黒髪頭を撫でていた私の手は、
永瀬にそっと奪われる。
ギュッと優しく握り、
永瀬『俺なぁー、ずっと寂しかってん。』
「……？」
永瀬は私の手を大事そうに包み込みながら、
静かに話し始めた。
永瀬『小学生の頃にさ、
俺テストで初めて100点取ってん。
満点取ったろぉー思って、めちゃくちゃ勉強して、
いざ本間に取れた時は嬉しかった。』
うん、うん。と私も頷く
永瀬『でも、親父にそれを見せたらさぁー
なんて言ったと思う？笑 ……んふふ、…』
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永瀬『「当たり前の事で喜ぶな。みっともない」
…ヤバない？俺多分そん時、小2とかよ？
んふふ、…あれは虚しかったなぁ〜』
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作者名：ayu
| 作成日時：2021年2月10日 0時
