～恋するオタク～【永瀬廉】 (ページ8)

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永瀬『あーー、イタタタタタ…』

「……」

永瀬『頬が痛いわぁ～、俺。』

私の前の机に尻だけを預けて座る永瀬くん。

わざとらしく左頬を手で覆い、そして不気味に笑う。

永瀬『なんでやろ。』

「……」

永瀬『な？笑』

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うっひょーーーー…

地獄だ。これはかなりの確率で今日から虐めに合うやつだ。

生卵投げつけられるし、カバンの中に生ゴミ入れられるし

きっと体操服なんかはビリビリに破られて

永瀬『謝って？』

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永瀬くんは右口角だけをキュッと上げて

私をものすごい所から見下ろしてくる。

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「…え」

永瀬『早よ謝れブス』

髙橋『ちょっと廉！』

おっふ…

この人って、つくづく…

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「…いやです。」

永瀬『……』

髙橋『……』

「……」

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そして私も私だ…。

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永瀬『あーーーーあ』

「……」

永瀬『せっかく人が許したる言うてんのに』

「っぐぇ…！？」

すると、永瀬くんに勢いよく襟元を掴まれる。

真近で見る彼の死んだ瞳に、私は息を忘れ

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永瀬『お前、今日で終わったな。高校生活』

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オワッタ

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最近の虐めは、とても陰湿だ。

机の落書きや、勿論生卵を投げられるという

そんな分かりやすい事はしない。

むしろもっと残酷で

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何も起こらない、という1番の恐怖だった。

＿＿お前、今日で終わったな。高校生活

こんな事を言われた後に、

何も起こらないだなんて、あまりにも不自然過ぎる。

これも彼の作戦なのか。何が思惑だ。

いつも1人だった私には、なんら変わらない日常。

しかし、いつどこで何をされるのかと

怖くて身体が毎日震えた。

日誌なんぞ、アイツに頼むんじゃなかった…

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