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「え?」
永瀬『俺の何処が好きなんか知りたいなぁ』
「……あ、…うん。…それは、」
あれ、…この台詞は想定外だな。
ただ気持ちを聞いて振るだけ、
の設定だったんだけど。
まぁ、いい。終わるのをただ待ちましょう。
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「…廉くん、カッコいいし……スタイル良いし」
永瀬『うん、ありがと。それで?』
「…廉くんも好きだけど、…廉くんの家柄もちゃんとしてて、ほら、永瀬リゾートホテルの跡取りでしょ?」
永瀬『……うん。で?』
「…そういうのって、素晴らしいなぁと思うの。
…付き合ったらいろんな所に連れて行ってくれそうだし…一緒に居て楽しそうだし……」
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永瀬くんの目は、彼女ではなく
目の前の空気を一点に見つめていた。
まるで焦点の合わない視線が、
とても恐ろしく…
永瀬『ありがと』
「え?」
永瀬『…でもごめん。付き合われへんわ』
「……そ、そんな。私は」
永瀬『お前みたいな糞ビッチ興味ないねん』
「っ!!…」
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学校の廊下をズンズン歩いて行く永瀬くん
私はその背中を必死で追いかけた
「待って!永瀬くん」
永瀬『……』
「ちょ、待ってってば」
永瀬『着いてくんな』
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それでもほっとけなくて着いて行く。
私はいけないと分かりながらも
永瀬くんの腕を掴み、引き止める。
永瀬『触んな』
「いやだ!」
永瀬『ほんまに。マジで触らんといて』
「じゃあ立ち止まって話を聞い」
永瀬『鬱陶しぃーーねん!!離せや!』
「っ……」
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永瀬くんは顔を真っ赤にし大声で怒鳴る。
首に太い筋を出し、私をこれでもかって程
鋭く睨みつけてきて
永瀬『なに?お前も俺の気ぃ引こうとしてんの?』
「違う」
永瀬『調子のんな。ちょっと連んだってるくらいで』
「調子になんてなってない」
チャイムが鳴る。
もう、授業が始まってしまった。
それでも私は腕を離さないし
永瀬くんの言葉も止まらない。
永瀬『自分を大事にせぇって昨日言うたよな?』
「…うん」
永瀬『…ふっ、どーやって?笑』
「……」
永瀬『永瀬くんは永瀬くん?笑…アホらし』
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永瀬『どうせお前も俺の』
「あんたの顔にも金にも心ッ底興味ないわ!!」
永瀬『…っ、…』
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作者名:ayu | 作成日時:2021年1月31日 1時