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永瀬『お前これ、なんや。』
「え？」
永瀬『え？ちゃうやろ。』
私が先程まとめた資料を
何やら怖い顔をして私の机に
ドスッと音を立てて置いてきた鬼パイセン。
「…なにか」
永瀬『俺は10部印刷しろ言うてん。』
「…あぁーー、…あははは…」
永瀬『あははは、ちゃうわボケ！』
どう見ても100部以上ある資料に、
怒りが爆破しちゃう先輩。
「なんか、コピー機のボタン押し間違えちゃって」
永瀬『お前これ、どうすんの。』
「…ど、どうすれば宜し」
永瀬『アホ、自分で考えろ。』
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＿＿少しだけでいいので、優しくして下さい。
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あの日から、
1か月が経とうとしていた。
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「 “じゃあ” 自分のメモにします。」
永瀬『じゃあ？』
「え？」
永瀬『じゃあって言うたな、今。』
なんだかんだで、
永瀬先輩とは上手くやっている。
永瀬『お前一回、滝に打たれて修行して来い。』
「は、…はい？」
永瀬『人間として終わってるわ、お前。』
「…な、酷いですよ先輩！！」
こんなやり取りも、
もう日常茶飯事のようになってしまい
今では、
神『お、またやってんの？永北コンビ。』
海人『アハハッ！もう漫才にしか見えないっすよ！』
周りからはまるで
漫才コンビのような名前まで付けられてしまった。
永瀬『あーしんど。…飯行こ、ジン。』
神『Aちゃん置いてくの？』
永瀬『ずっとこいつと居ったら俺の身が持たんわ。』
まぁ、
相変わらず先輩には酷い言われようだけど。
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お昼休憩は基本的に
食堂で海人とお弁当を食べている。
海人『先輩と案外上手くやってんじゃん。』
「んー、まぁ暴言吐かれまくりだけど。」
海人『100%Aのミスだから仕方ないよ』
「…否定は…出来ないっす。」
私の100%のミスを
一つ一つ拾って、
しっかりと注意される毎日。
少しも優しくしてくれない先輩に、
時より反抗的になる私。
こんな生意気な後輩、全然可愛くないだろう。
それでも、オンオフを瞬時に切り替えて、
仕事以上の事を教えてくれる永瀬先輩は
最初の頃よりも嫌いじゃない。
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作者名：ayu
| 作成日時：2020年9月7日 12時
