8「取り戻す」 ページ26
それからの展開は早くて、私たちはたまに家に行って遊んだり、映画館へ行ったりしてふたりで過ごす時間があった。
友達以上恋人未満って感じの。
あの日以来、手を繋がれたりはあるものの、やってはいない。だからそれだけの関係ではないはず。
でも彼のおかげで元カレの物が家にあっても、過去のことだと認識するようになってつらいと思うことはなくなっていった。
・
そんなある日、ピンポーンと来客を知らせる音が鳴った。誰だろう・・。辰哉とは会う予定はないし。
そう思ってインターホンを見ると、私の知ってる顔があった。
「うそ・・・」
ドアを開けた。会う予定はなかった、元カレだった。
元カレ「久しぶり。置いたままの荷物だけ取りにきたんだけど」
「来るなら連絡くらいして」
元カレ「連絡しづらかったんだよ」
気まずくしたのは誰のせい?なんて言葉は飲み込んだ。ここで喧嘩をする必要はない。
元カレは棒立ちする私の横を通って、自分の荷物をまとめだした。
元カレ「不要なら捨てればいいのに。律儀に全部取っておいてあるし」
私は返事をしなかった。
元カレ「怒ってる?まぁそうだよな。でもこんなに取ってあると未練あるのかななんて思っちゃうけど」
「は?ないから」
元カレ「そっか・・・・俺はあるんだけどな」
「・・え?振ったのはそっちでしょ?」
元カレ「・・そうなんだけど、あいつと続かなくて。なんでだろ、って考えたら、お前の変わらない存在が大切だったんだなって思ってきたんだよね。伊達に同棲してきてないし。」
元カレは懇願するような目で言った。
元カレ「俺とまたやり直してくれない?」
私はさっきまで、元カレを追い出してやろうと思ってた。だけど、急にこの家にいる元カレの姿を見て、同棲していたあの平穏な日々を思い出して懐かしくなってしまった。
「なに馬鹿なことを・・って思ってたのに」
キスをされた。拒まなかった。
私は結局、やり直してしまった。
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みあ(プロフ) - スノ姫さん» スノ姫さん。コメントありがとうございます。素敵なリクエストです!参考にさせていただきます。 (2021年10月7日 0時) (レス) id: f3c1546d7f (このIDを非表示/違反報告)
スノ姫 - アラフォーだけど、付き合ってた彼氏に浮気され、別れた所で街をふらついて歩いてる所に男友達の深澤君と会い恋人になったと言うシチュエーションをお願いします。 (2021年9月26日 4時) (レス) @page1 id: 61c754dd4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みあ | 作成日時:2021年9月25日 14時