#2 ページ9
「Aさーん!手紙届いてますよ!」
『ありがと』
「そういえば、いつもと違う字ですね。今日は違う方からですか?」
手紙を開けている私に問うザキくん。どうやらその通りらしい。
頭の上にクエスチョンマークを浮かべている近藤さんとザキくんに手紙の内容を話した。
どうやら父親が死んだらしい。老衰かって?いや、えいりあんに殺られたって。だからここ数日手紙も来ていなかったらしい。
手紙を送って来たのは私の兄貴だった。名前は
コイツは私より多めに夜兎の血を継いでいる。まあ、ほぼ夜兎なんだけどね。戦闘バカだよ。
そして、手紙の内容は父と殆ど同じ。故郷に戻って来い。そう書かれている。何故そこで私に帰ってきて欲しいのか。そんな疑問ばかり浮かべてしまう。
「親父さん亡くなったのか…。Aちゃん、今日の見廻り、誰かに代わってもらって一度帰った方が…」
『いや、良いですよ。他人も同然なので』
「…他人…?」
これ以上話すのは面倒になる。そう思った私は手紙をポケットに入れ、見廻りに行く事にした。
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街を歩いていると、映画館の前に一台のパトカーが停まっていた。中を除くと、運転席に原田くん。助手席に土方くん。原田くんに至っては何か泣いてるし。
覗いている私に気付いたのか土方くんは窓を開けた。
『よっ』
「んだよ」
『いや、たまたま見つけたから何してんのかなーって』
土方くんの持つパンフレットを見ると、えいりあんVSやくざ、と大きく載せられていた。あー、コレ見たのか。
てかこれ泣く程のやつ?感動するやつなの?
私はさっきの近藤さんの様に頭の上にクエスチョンマークを浮かべていた。
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作者名:東雲 | 作成日時:2023年1月25日 0時