上司は部下に理不尽だけど、何だかんだで優しい ページ6
「Aさん」
『んぁ?何?』
縁側で寝ている私に声を掛けたのはザキくん。手には一枚の封筒。どうやら私宛らしい。綺麗な字で私の名前が書かれていた。
それを受け取ったが、私は中身を確認しなかった。この字には何度も見覚えがあったから。中身は大体分かる。
手紙は父からだ。
彼奴から送られてきた手紙は自室の机の引き出しに沢山入っている。だが、その多くは未開封。大事な内容なのは分かりきってる。
けど、
手紙が来ると毎回の様に怒りが込み上げてくる。それと同時にあの人の事も思い出してしまう。今はもう亡き師を。
ボーッと空を眺めていと、遠くの方から足音と話し声が聞こえて来た。どうやら真選組の三本柱のお出ましの様だ。それも土方くんは傷だらけ。何して来たんだか。
「あ、Aさんじゃねーですか。何してんです?こんなとこで」
『暇だったから寝てたんだよ。で、鬼さんは何で傷だらけなの?』
「少し銀髪の侍とやり合ってねィ」
『ふーん。そりゃお疲れさんでした』
「A、手当頼む」
土方くんは私にひとこと言って自室へと入ってしまった。
…ったく。世話の焼ける上司だこと。同い年そうだけど。まあ、昔っからこういう様な奴等と関わって来てて、慣れてるんだけどね。世話の焼ける奴は。
朝起きない奴が居たらしつこいって思われても声かけりゃ起きる→←歩いてる時はしっかり前向いて歩いてないと人にぶつかるから気を付けろ
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作者名:東雲 | 作成日時:2023年1月25日 0時