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#10 ページ38





『あ…新八く、ん……』




前を歩いている新八に声をかけたが、聞こえていないのかズンズンと進んでいく。
よく見ると、その前には銀時が歩いていた。




「言っとくけどねェ。僕はずっと万事屋にいますからね。家族と思ってくれていいですからね」




涙を流しながらそう言う新八は銀時の横を通り過ぎて言った。




「やめるとか言ってなかったっけ…」




頭をボリボリとかく銀時に後ろからAが声をかけた。




『聞いてたのかもね。星海坊主さんとの話』


「…なにが」


『あの子なりの優しさなんだろうね。受け取ってやったら?』


「だからなにが」


『ほんっとに、お前は面倒だね』


「…っせ」




素直じゃないねぇ、とAは言いながら銀時を追い越して行った。




「おいコラ」


『なに』


「なんだ、そのー…」


『はっきりしてよ』


「……あんがとよ」




目を逸らしながらお礼を言う銀時。
改めて礼を言うのは照れくさく、目を逸らす。

Aは昔と変わんないなぁと思いながらフッと笑った。




『お礼を言われるような事はしてないよ』



そう返した。

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作者名:東雲 | 作成日時:2023年1月25日 0時

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