馬酔木の助力～7部まで～ (ページ11)

今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:4,641 hit

11(夢主視点) ページ11

「とりあえず詳しい話を聞こうかな。なぜ私を襲った？」

「…金持ちっぽいから。あんた金持ってるやつだろォ？」

「まあそこそこは持っているが金持ちほど持っているわけではない」

「だからオイラのスタンドで殺して金奪ってやろうと思ってワイヤーを出したんだァ！」

話を全て聞き出した。
この子供は親はいない。気づけばスタンド使いになっていた。
名前は無い。ポーク・パイ・ハット小僧と周りには呼ばれているらしい。
スタンド名は無し。ワイヤーを出せ、たらいに入った水で任意の場所の上空から出せるそうだ。

「ではうちに来るか？」

「え？」

「もう一人がいいと言えば、だが」

「ん…でもよォ、オイラ孤児だし…」

「孤児だろうが何だろうがいい。私ともう一人にはスタンド使いが必要だ。後々の目的のために。

…それに、君のような子供がそんなことをするほど追いつめられるのは個人的に心が痛む」

手を差し出す。
これを取るかどうかは彼次第。
彼は考えているらしく少しうつむいている。
…暗くなってきた。ファニーも起きたようだ。

『…なぜ私が寝ている間にけがをしているんだ？』

『………買い物に出ただけだぞ』

『買い物に出ただけでけがをするのか？』

ファニーに質問されている間に少年は私の手を取ってくれた。
なのでそのままファニーに紹介をしつつ少年を家へと連れて帰る。

「実は私は二重人格なんだ。主人格は私ではなく、彼だ」
「……まったく。買い物に行って子供のスタンド使いを連れて帰ってくるとはな」

ファニーと入れ替わるとポーク・パイ・ハットの顔が少しこわばる。
ファニーはハァ…とため息をつく。

「まあいい。私はしばらく休む予定だったし、Aに任せる」
「……任された」

とりあえずポーク・パイ・ハットは我が家で保護をすることにした。
まずはお風呂だな。その次はご飯。普通の生活を体験してもらいながらスタンドも練習していこう。
パッショーネの時も暗殺チームの何人かは私が訓練していた。
スタンドの訓練は任せてほしい。