kiss ページ40
「健人…」
立ち上がった私を健人は何も言わず抱きしめた。
早くなった鼓動だけが伝わってくる。
「ごめん…ご め … ん」
かすれた声が耳元で聞こえた。
「健人、誰かに見られちゃうよ…」
私は健人から離れようとした。
「関係ないから。。」
そう言って私の頭を引き寄せると健人は激しくキスをした。
目の前を行き交う人達が傘に身を隠しながら足早に通り過ぎていく。
回りの事なんかもうどうだって良かった。
私は夢中で健人のキスに応えた。
雨で濡れた健人の唇は少し冷たくて涙の味がした。
長い長いキスだった。
健人は唇を離すと涙の笑顔で私を見た。
「なんなの？あのマグカップ、可愛すぎじゃね？」
「いいやん！だってめっちゃ気に入ったんやもん」
2人顔を見合わせて笑った。
「Aが風邪ひいちゃったら困るから、早く帰ってあのマグカップで一緒にココアでも飲もうぜ」
「うん」
健人は片手で私の荷物を軽々持ち上げると、もう片方の手を私に差し伸べた。
強くなる雨の中を2人手を繋いで走った。
「健人、今日仕事は？」
「台風でロケ延びたーちなみに明日もオフ」
こんな何気ない健人との会話に幸せを感じながら走った。
夢でもいい。
このまま続きが見れるのなら…
例え彼女がいたっていい。
そう思った。
はぁはぁ…
ようやくビルの下まで来た。
「出会った日よりグチャグチャだな」
「ひどいよー」
「グチャグチャでもなんでもお前は可愛いから」
お前…なんて初めて呼ばれた。
「ラブホリではありません！」
私が言うより先に拒否る健人。可笑しい。
「えー私ラブホリ先輩好きなのにー」
「嘘でしょ？」
「嘘〜(笑)」
「てかさ、俺が中島健人じゃなくなるのはAの前だけだから」
「彼女の前は？」
「Aが昨日見たの、あれ、彼女じゃないよ？
元カノ。ずっと追っかけられてたんだよね。
もう一回キスしてくれたら諦めてくれるって言うからさ…
ていうか、あいつとは付き合ってた時もキスはたったの一回だけ。
いわゆるそういう関係とかもなかったしね」
ちゃんと話してくれた事が本当に嬉しかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 227人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アップルレモン(プロフ) - はい。 もう、健人への愛が薄れることはありません。 ぜーったいに、愛し続けます！！！ (2014年10月13日 10時) (
レス) id: 3eb5f519f8 (このIDを非表示/違反報告)
SZ-holic(プロフ) - アップルレモンさん» ほんとですか？嬉しいです(*^^*)これからも健人を愛してあげてください。愛が薄れた時は、又らぶほりっく。思い出してください。←黙（笑） (2014年10月12日 23時) (レス) id: 42cc598e38 (このIDを非表示/違反報告)
アップルレモン(プロフ) - この小説読んだら、ちょっぴり薄れていた健人への愛が復活しました！ 本当に本当にありがとうございます。 (2014年10月12日 23時) (レス) id: 3eb5f519f8 (このIDを非表示/違反報告)
SZ-holic(プロフ) - アップルレモンさん» アップルレモンさん、もぅ感激なコメントに涙出ました（；＿；）本当に嬉しいです。かなり長いストーリーになっていますが、ご覧いただけたら幸せです。本当にありがとうございます… (2014年10月12日 16時) (レス) id: d5618f34ce (このIDを非表示/違反報告)
アップルレモン(プロフ) - こんなに、健人を愛しちゃっていいんですか？ もぅ、この小説読んだら、涙が止まらなくて大変でした(笑 読み終わった瞬間、テレポーテーション聞きました。ルージュも。 胸に、染みました。 この小説は、ファンタスティック胸キュンストーリーです！ (2014年10月12日 16時) (レス) id: 3eb5f519f8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：SZ-holic | 作成日時：2014年8月21日 17時
