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Y side-
くれぐれも気をつけるんだぞ。
玄関の扉が閉まる瞬間ほんの一瞬重なった視線は静かに、そう語っていたような気がした。
「うーさぶっ」
「そう言えば昨日キタミツに何買ってもらったの？」
見送りも無事済んでこんな寒いところいつまでも居てられない、とそそくさとリビングに揃って退散する。
「えっとね、」
リビングに戻るとソファに身体を沈めて本を読んでいる太輔。じっと暫くその姿を眺めているもなかなかページが捲られない。
あれ、寝てる…？
回り込んで確認すると目はぱっちり開いていた。本を開いているというのに瞳は少しも揺れることなく何処か一点を見つめたまま動かない。
「ガヤさん？おーい、魂戻ってきて」
宮田が太輔の目の前で手を軽く振ると、やっと何処かに飛んでいた意識が戻って来た。
「おわっ」
バチっと音が鳴るかの如く目があったかと思えばぎゅううって強く抱き締められた。本を持っている事を忘れていたのか本の背表紙が靴下を履いていない足に落ちて来た。文庫本だから痛くないけど…ってそういう話じゃなくてだな。
「なになになに、」
一瞬重なった瞳が、感情がごちゃごちゃと混ざり合ったような何とも説明し辛い色に染まっていて本当にどうしたのこの人。
「たいしッ…ちゃん…」
思わず太輔と言いそうになった口を慌てて軌道変換させて俺らしいと流れるだろう程度に甘噛みで済ませる。
「狼じゃん、わたこういうの好きなの？」
助けを縋ろうと千賀と宮田に視線を向けるも、二人は昨日みつが買ってくれたものを勝手に物色していた。
しかもそれ…！
すっかりその存在を忘れていたぬいぐるみ。
はいはい子供向けらしくぬいぐるみね、と触ったのが思いの外気持ちよくてその後も思わず視線で追ってしまってたのをみつに勘違いされて買われてしまったやつ。
あの時のみつの表情と来たら。なんだかんだ子供じゃねえかとニヤケきった…思い出しただけで妙にムカつくあの顔。
「うお、何これ超気持ちいいんだけど。ふわふわ」
すりすりと頬ずりしている宮田。わかるよ、その気持ち。本当ずっと触っていたくなるんだよ。ただそれだけなんだよ。
「北山の匂い…」
「たいちゃん？」
……えっと、なんて？
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狐楼(プロフ) - 横尾渉さん» ご指摘ありがとうございます。グループのメンバーの中では北山さんが最年長ですが、楽屋にいたメンバーは宮玉横千の4人。そして横尾さんは子供になってしまっているので残りの3人の中で一番の年長者が宮田という意味合いでした。分かりにくく申し訳ありません。 (2018年6月17日 14時) (
レス) id: cfd642af4e (このIDを非表示/違反報告)
横尾渉 - あの、最年長って北山さんじゃないんですか？確か、北山さんだとおもうんですけど。 (2018年6月17日 11時) (レス) id: 4cc50a45b9 (このIDを非表示/違反報告)
裕太大好き - 可愛い。わたが子供って…普段はメンバーのお母さん的であるし。何時もの横尾渉に戻って欲しいね。続き待ってます。 (2017年11月2日 1時) (レス) id: 086e0840d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狐楼 | 作成日時：2017年10月31日 19時
