16. 3日目 ページ16
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「…つ……ねぇ、みつ………」
遠くから聞こえてくる俺を呼ぶ誰かの声。
煩い眠い寒い。どれを言い放ってやろうか。やめた、それすらも面倒くさい。
頬をペチペチと叩く冷たい手を、煩いとでも言うかのように振り払いぞもぞと暖かい布団の中に潜り込む。
「みちゅ起きて」
子供特有の高いトーンの言葉が布団越しに聞こえてくる。
「キタミツ起きないの？フフフ、そう言う時はですな……」
あれ、宮田もいんの？なんか変な事言ってるんじゃないだろ____
っぐ…
ドスンっと勢いよく身体に乗ってきたなにか。重っ…いや、軽い？この重みは恐らくわた。
「流石キタミツ。この程度じゃ起きないか…。よし、第二攻撃開始！」
「らじゃー！」
頭まですっぽりと覆っていた布団がふわりと浮いて冷気が頬を撫でる。
…さっむ！
スルスルと頬を滑る冷たいわたの手がゆっくりと下がっていく。振り払おうにもいつのまにか最近鍛えてる宮田に頭の上で両手とも拘束されてるし、何これ。
「ひっ、ちょ…冷たっ。何、やめ…」
素早くスウェットの襟元から手を差し込まれるとペタペタと手が這う。
「あったかー。あ、みちゅおはよう」
何このついさっき手洗ってきましたみたいな冷たい手は。子供なら子供らしく体温高くいなさいよ。
わたも宮田も表情は単なる悪ガキ。随分楽しそうだなオイ。
「おはよ…ぬあ、それ以上___」
「北山っ」
ズバンっと言う効果音でも付きそうな程に勢いよく開いた寝室の扉。誰の声かなんてすぐ分かる。
「あ…」
「えっと…お邪魔しました」
何か見えてんの？ってレベルでキョロキョロ視線を揺らしながら日本語覚えたてな外国人みたいにカタコトでそう述べると、ドアが静かに閉められていく。
「いや待て待て待て、」
あと少しってところで慌てて引き止めると、ほんの少しだけ扉が開いて頭だけひょこりと出てきた。
「なに？」
「何って、取り敢えずわた退かして」
調子乗ってんな、と掴まれていた腕振り解くとあっさりと離れていく宮田。
おずおずと入ってきた藤ヶ谷にわたを俺の上から下ろして貰えばやっと起き上がることができた。
仕事前になんでこんな疲れてんの…。
「朝ごはん出来てるよ」
「おう、さんきゅ」
その言葉を最後に3人揃って部屋から出ていった。やっと静寂が戻った寝室。いやまじ、寝起きにこれはキツイ。
「じゃあ行ってくる。わたの事よろしく」
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狐楼(プロフ) - 横尾渉さん» ご指摘ありがとうございます。グループのメンバーの中では北山さんが最年長ですが、楽屋にいたメンバーは宮玉横千の4人。そして横尾さんは子供になってしまっているので残りの3人の中で一番の年長者が宮田という意味合いでした。分かりにくく申し訳ありません。 (2018年6月17日 14時) (
レス) id: cfd642af4e (このIDを非表示/違反報告)
横尾渉 - あの、最年長って北山さんじゃないんですか？確か、北山さんだとおもうんですけど。 (2018年6月17日 11時) (レス) id: 4cc50a45b9 (このIDを非表示/違反報告)
裕太大好き - 可愛い。わたが子供って…普段はメンバーのお母さん的であるし。何時もの横尾渉に戻って欲しいね。続き待ってます。 (2017年11月2日 1時) (レス) id: 086e0840d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狐楼 | 作成日時：2017年10月31日 19時
