それでも空は 3 【夏油傑】【五条悟】 (ページ44)

今日:20 hit、昨日:34 hit、合計:48,685 hit

138 ページ44

五条side

六眼と無下限呪術の抱き合わせで俺は生まれた

家で散々甘やかされたのもそれのおかげで

周りの奴らは全員、

“次期当主”や“現代最強の呪術師になる者”として俺に接してきた

俺を見るんじゃなくて、俺の力を見ているだけの視線

きっと俺が六眼も無下限も持ってなかったら、誰の目にも映らなかっただろうに、

でも、アイツだけは違った

ふらっと現れて勝手に許嫁にされたアイツは

Aは俺を“俺”として、

ただの人間、“五条悟”として向き合ってくれた

そういう接し方をしてくれた初めての人

正直、最近まで分かってなかった

あの日、

盤星教の施設で変わり果てて今すぐどっかに行っちまいそつなアイツを見て

堪らなかった、何処にも行って欲しくないって思って

そんな目に合わせたのは自分のせいなんじゃないかって謝罪の言葉を絞り出して

お前にはずっと隣で笑ってて欲しいって、どうしようもない自分の気持ちに気づいてしまった

名前を呼ばれて、ちょっとだけ嬉しくなるのも

俺達しか知らない事を話して、優越感を感じてしまうのも

アイツが俺の事を考えてるって感じるだけで、愛おしくなるのも

偶に、奥の方がギュッと締められる感覚になるのも

全部理由は同じ

__俺はAが“好き”だ

自覚してしまえばそこからは下り坂で

どんどん自分の気持ちが顕になっていく

今はまだ言わねぇけど、

いつか、ちゃんと伝えようとは思うよ

_____________________________

夏油side

さっき居た土手からも祭りの屋台からも遠ざかった静かな公園

A ｢_______、でも、_________いや、だから_____、、、わかった、もいいよ、それで_____、うん______はい、｣

5分ほどの電話がようやく終わったようだ

携帯をパコっと閉めたAに声をかけた

夏油｢もう電話は終わりかい？｣

A ｢あれ、傑付いてきてたの？｣

少し驚いたという表情

夏油｢1人にさせるのは心配だからね｣

A ｢そっかぁ｣

先程までの元気は喪失されている

夏油｢浮かない顔なのは電話のせいかな？｣

試しに聞いてみると

A ｢まぁね、ちょっと気が重いって感じ｣