不器用なりに (ページ2)

今日:7 hit、昨日:8 hit、合計:282,367 hit

2 ページ2

「んー気持ちいい」

思わずぽろっと声が出る。
人気の少ない漢江を、スケボに乗り風をきる。
はめていた黒マスクをあごまで下ろし、
顔いっぱいに風を浴びる。

テヨニヒョンには
"もう少ししたら帰る。
先に寝ておいて大丈夫だよ。"
とだけ返信しておいた。

こうやってスケボで走っていると、なにも考えないで済む。
明日の予定が早いだとか、DREAMの練習についていけないだとか、明日は苦手なバラエティの収録があるだとか。

ずっと無心で漢江沿いを走っていると、
いつのまにか人が全くいない場所まで来た。

目の前には小さな森のようになっていて、
道がクネクネして楽しそうだった。

俺はスケボに乗ったまま、その並木を進んだ。

少し行ったところで、俺はふとスケボを降りた。

『今日星出てたっけ...』

そう思いながら木の間を海岸に向けて歩いて行く。
俺帰り道わかるかな。
若干心配になりながら進むと、一気に視界がひらけた。

そこには堤防があって、
堤防の上にちょこんと人が座っていた。