不器用なりに (ページ3)

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座っていたのは、女の人だった。
ストレートのロングヘアー。

俺からは後ろ姿しか見えなくて、
あまり足音を立てないように近づいた。

すると、女の人はカクッと首が下がったかと思うと

そのまま川の方へとゆっくりと傾いて行く。

俺にはスローモーションに見えた。

「あっぶな...........!!!!!!」

急いで堤防をよじ登り、女の人の体を支えた。
危ない、ギリギリセーフ。
寿命が3年くらい縮んだ気がする。
よくやったぞマークリー。

女の人はハッとして、俺の方を向いた。

正直、タイプだとか
そう言うんじゃなくて、
すごく

綺麗な人だな

そう思った。

「ごめんなさいっ!!」

女の人はすぐに謝って来た。
傍にはチューハイの缶が2本転がっていた。

「よ、酔っ払ってて...」

顔を真っ赤にしながら、話す彼女は酔いは覚めたみたいだった。
俺はあごにはめていた黒マスクをあげながら、堤防に腰を下ろした。

「いえ、全然大丈夫ですよ。
でも危機一髪でしたね。」