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今しがた買い物を終えたのだろう。荷物を抱えたラギー先輩が購買部から出てきた。
「あれ、エースくんも一緒なんだ」
「ども」
「エースとは途中で会ったんだ。エースは今回の主催寮だから人手が足りなくて買い出し頼まれたんだって。去年のラギーと一緒だね」
「オレの場合、主催寮じゃなくても、借り出されてたと思うッスけどね。あ、そーだ」
スタスタとオレ達の前にきては、袋を地面に置いた。
「さっきサムさんにもらったんスよね」
ポケットから何かを取り出したかと思うと
「ん……っ」
A先輩の口に何かを押し込んだ。
「じゃあオレこの後もレオナさんに呼ばれてるから行くッスね」
袋を持ち上げ、軽く手を振っては歩いて行くが少しして振り返り
「エースくんとAちゃんって仲いいんスねー。妬いちゃうなあ」
ｼｼｼ、と含みのある笑みを残して去っていった。
「え?」
「へ?」
その意図が分からずお互い目を見合わせてから数秒ーー
ーーそうだ、手繋いだままだった
どちらからともなく手を離し気恥しさに頭を搔いた。
「い、行くか。買い出し……」
「うん、そだね」
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作者名：天音 | 作成日時：2022年3月10日 19時
