EP.33 ページ33
*
それから私たちは仕事の都合でお互いに会うことは少なくなった。
友達になれただけでも幸せな事なのに、
私はずっと会いたくてたまらない。
本当に私は欲張りだ。
｢おばあちゃん、もうすぐ退院だね！
私ずっと寂しかったんだよ〜？｣
祖母｢ごめんね〜…寂しい思いをさせてしまって…｣
でも。もうおばあちゃんは長くないと先生に言われた。
病院にいるより家に帰る方が精神的にも良いだろうと、
退院する事になった。
またヘルパーさんにも来てもらうけれど、
いつどうなってしまうか、考えたくなくても考えてしまう。
HLP｢お久しぶりですね、Aさん。
今日は安心したのか食事も普通にされていました。｣
｢あ、ありがとうございます…
あの、これ…またお世話になるので…よろしければ…｣
後日。
おばあちゃんが退院してからしばらく経ち、仕事から帰ってくると、
ヘルパーさんが私に今日のおばあちゃん容態を報告する。
せめてものお礼でケーキ屋さんに寄っていちごケーキを 3つ買って、
1つをヘルパーさんに渡す。
HLP｢あ、すみません。
お気持ちは嬉しいのですが、
会社の規則が厳しくなっていただけなくなってしまって…｣
｢あ…そうだったんですね…
すみません、分からなくて…(苦笑)｣
HLP｢いえ…お気持ちだけで嬉しいです！
…Aさん、以前より笑顔増えられましたね。
会社で何か良いことでも？(笑)｣
優しい笑顔で聞いてくるヘルパーさん。
きっと、與那城くんに出会ってから笑顔が増えた。
｢いえ…いいケーキ屋さんを紹介してもらって…(笑)｣
HLP｢上手くいくといいですね！｣
｢えっ？｣
失礼します、と言いながら、
エプロンを脱いで帰って行ったヘルパーさん。
────上手くいくといい…か。
私も思うけど…叶わない…あんなにキラキラしてて素敵な人…
伝えたらダメ。分かってる。私は大丈夫。
これを機会にでもして…強くなりたい。
後輩｢あ〜…今日も絶対終わらないなぁ〜…
先輩！ちょっと手伝ってもらってもいいですか〜？｣
｢あ、でも…｣
後輩｢これから彼氏迎えに来ちゃうんでお願いします！
お先に失礼しまーす！｣
私が帰ろうとした時、後輩の子に仕事を押し付けられてしまい、
また何も言えないうちに帰られてしまった。
────あぁ…今日はこれから純喜さんに呼ばれてるのに…
もう…こんなに…夜中になっちゃうよ…
待ち合わせは19時00分。
終わらせようと頑張っても2時間以上はかかる。
何も言えない自分にまた腹が立つ。
今日も仕方なく純喜さんには申し訳ないけれど電話をした。
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きなこ - 初めまして。こんばんは。最初から続けて読ませて頂きました。すごく素敵なお話で、終始ドキドキでした。物語の中でも、與那城くんの包み込むような優しさが溢れ出ていて、読んでいて幸せな時間でした。続きを楽しみにしてますね。 (2023年3月30日 23時) (
レス) @page37 id: 268a4b8156 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Miaya | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/miayahome1225/
作成日時：2020年3月9日 0時
