EP.3 ページ3
*
？｢着いた。｣
｢ここですか…？｣
？｢好きなの選びな？買ってあげるから。｣
この人はなぜかお母さんみたいで。
｢え、いや…それは申し訳ないです…｣
？｢大丈夫ですよ、僕もあと9個買わなきゃいけないので(笑)
いいよ、選んで。｣
｢でも…よく知らない人に奢ってもらうのは…｣
？｢じゃあ、誕生日プレゼントだと思って受け取ってください！｣
｢いや…それはちょっと…｣
？｢與那城奨って言います。｣
｢…？｣
奨｢あ、僕の名前です。これで…知ってる人になった？(笑)｣
彼の笑顔があまりにも綺麗で、つられて頬が緩む。
この時、私は初めて心から笑顔になれた気がした。
｢ありがとうございました…｣
奨｢本当におめでとう！バイバイ！｣
"與那城奨"と名乗ったその人は、
2つのケーキの箱を持って笑顔で去っていった。
────あんなにキラキラした人が…
私なんかにケーキを買ってくれるなんて…優しすぎるんじゃないのかな。
それにあの綺麗な笑顔…楽しい人生を送ってきたんだろうな…。
｢ただいま…｣
祖母｢おかえりなさい…遅かったねぇ…迷っちゃったの…？｣
｢違うよ。いい人がね…ケーキ買ってくれたんだよ。
はい、おばあちゃんの分ね。｣
おばあちゃんの寝ているベッドサイドテーブルにケーキを置く。
────あの人…私と一緒にいて嫌じゃなかったのかな。
｢おはようございまっ…いた…｣
先輩��｢あ、ごめん見えなかった(笑)｣
すれ違う先輩に挨拶しようとすると先輩はぶつかってくる。
いつもの事だ、とまた思ってなんとか立ち上がる。
でも挨拶をしないと生意気だ、と言われる。
弱い私は、怖くて抵抗も出来ない。
｢これ終わったので確認お願いします…｣
先輩��｢もー、今忙しいんだから話しかけないでくれる？
見て分かんないの？｣
そんなこと言われても、って思っても口に出したら終わり。
相手を怒らせないように顔色伺って仕事をする毎日。
｢はぁ…｣
帰り道、俯きながら思わずため息をつく。
？｢いった！｣
｢あ…すみません…｣
？｢まじ痛え！(笑)｣
前を見ていなくて、顔を上げるとチャラそうな男性が2人。
男��｢あ、意外と可愛くね？(笑)｣
｢本当にすみません…｣
男��｢こんなとこ1人で危ないよ〜(笑)｣
｢ごめんなさい…急いでるので…｣
行こうとすると男性2人は追ってきて前に立ちはだかる。
男��｢なんで逃げんの〜？(笑)｣
｢いえ、逃げてるわけでは…(汗)｣
男��｢遊ばない？俺らと(笑)｣
────どうしよう…誰も助けてなんて…
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きなこ - 初めまして。こんばんは。最初から続けて読ませて頂きました。すごく素敵なお話で、終始ドキドキでした。物語の中でも、與那城くんの包み込むような優しさが溢れ出ていて、読んでいて幸せな時間でした。続きを楽しみにしてますね。 (2023年3月30日 23時) (
レス) @page37 id: 268a4b8156 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Miaya | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/miayahome1225/
作成日時：2020年3月9日 0時
