その線は、繋がらない (ページ6)

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はじめての二人の散歩。

11時に集合。

「お待たせ」

「おはよ。なんか優太…太った？」

「おいおい、久しぶりに会う幼なじみそれはないだろ！」

「うーん筋肉ついたのかな」

「それは大いにある。」

大学のカリキュラムがとにかく

体を動かす類いのものらしく。

「で。どこ歩くの？」

「それは、まずお参りでしょ。」

「お参り…？」

優太による謎の自論で

お互い一人暮らしの家の

中間地点にある神社に強制連行される。

用意のいい幼なじみは

「ほい、ご縁の5円玉！」

「あ…ありがと」

ドヤ顔のまま賽銭箱に投げ入れて鈴を鳴らす。

柏手が二人分だけこだまする。

えーっと。何願えばいい？

まあいいや、“無事散歩できますように”

…たぶんこれで合ってる。

横を見ると優太は祈り継続中。

やけに長い。

欲張りを収めようと後ろ姿を写真に撮る。

シャッター音が静寂を破った。

「…何か聞こえたんだけど。」

「現在進行形の欲張りを収めないとね。」

やっと祈りが終わったらしい。

こちらを向いて頬を膨らませる。

「それ可愛いの小学生までです」

「今でも十分プリティーだろ」

「今やっても虚しいだけだよ」

付け足したら神社を出た瞬間に

膝カックンされた。…このやろ。