その線は、繋がらない (ページ16)

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晴れのち曇りのち雨。

あの日以降、優太と前よりも頻繁に

連絡を取るようになった。

もはやお母さんくらい

心配をしてくる。

「飲みに行くなら連絡しろ」

とか

「今日は俺空いてるから迎えに行こうか」

とか。

もう、そんな敏感にならなくても

内心本当はそう思ってるけど

前科があるから強く言いにくい。

午前中は晴れていたのに

買い物をしてるとどんどん曇ってきた。

そこに電話。

優太？と思ったけど

電話の主は勝利くん。

「もしもし？」

「あーもしもし。今どこにいる？」

「一週間分の食材買い物してる。」

「そうなんだ。じゃあ会えるかも」

「え？どうして？」

「今日大学の課外講義でさ。Aの家の近くに来たっぽい。」

場所を聞いたら本当に近くで

そのまま会うことに。

勝利くんから次の連絡が来るまで

近くの花屋に寄った。

「このペチュニアの鉢植えください。それからアサガオも。」

鮮やかな紫が目に飛び込んできたペチュニアと

夏にぴったりなアサガオを頼む。

レジの前でお財布を取りだした瞬間、

「あ、これで。」

後ろから誰かがが私の会計を済ませた。

間違えてませんか？と言うつもりで

素早く振り向くと

「お待たせ。お腹すいちゃった」

「勝利くん？なんだもう…びっくりした…」

「ほら、早く」

「えっ…よくわかったね？」

「マップ開いてみたらすごい近くだった。」

しかも今の花屋の目の前にいてさ。

Aがいるの見えた。

これ、すごくない？

手を引かれて花屋から連れ出される。

勝利くんの笑顔はやっぱり綺麗だ。