図書室の地味子さん【剣城京介】 (ページ26)

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(｀・ω・´)ゞ26 ページ26

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精神的に疲労困憊で帰宅した昨日から一夜明けた、パラパラと雨が降っている今朝。

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昨日の午後は晴れたというのに

今日もまた降り始めている。

全く、最近の天気は分からない。

光が暗い雲に遮られて、電気をつけていない部屋の中も暗い。

まだ朝早くという事もあるだろうが

いつもの日課である日光浴ならぬ朝日浴が出来ない雨の日は、

なかなか好きにはなれなかった。

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「…ふぅ……支度、しよ」

そろそろ、学校で文化祭の準備が始まる。

そう見越したからこそ、早く登校して図書委員の仕事を片付けようと早起きしたのだ。

おちおちゆっくりなどしていられない。

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着替えて、髪を結い

マスクとメガネをつけたら、いつもの私。

地味な図書委員長、鈴木Aだ。

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そんなわけで、早めに登校したのだが。

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「Aー！…あれ、

どうかした？お疲れみたいだけど」

「いや……なんでもない、よ…？」

図書室を訪ねてくる人が思ったよりいたので

疲れてカウンターに突っ伏していると、新たな来客(女子)。

あぅち、これで何件目だよ勘弁してよ奥さん。

流石にそのままでは失礼なので、のっそりと身体を起こすと、

どんより曇る心の内を隠しながら、大体答えを予想しつつ尋ねた。

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「で…ご用件は？」

「うん。いつものアレ。

今年の文化祭はバレー部でタコ焼き屋やろうと思ってるんだー。

だから、看板書いて？」

「あー……デザインは？」

「美術部の子に背景は描いてもらうから

Aには、その上に勇ましい感じで

この文字を書いてほしいんだー」

「あ……そう」

紙を受け取りながらちょっと感心。

助かるわー、中にはデザインまでお任せっていうふざけた所もあるから。

こうやってちゃんと作業分担してくれるトコは貴重だ。

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そんな感じでよろー、と軽く言った彼女は

こちらが返事をする前に図書室を出て行った。

淡々と手を振りかえしつつ、手元に目を落として溜息。

幾つかの文字が並ぶそのリストに

バレー部の文字を付け足した。

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