図書室の地味子さん【剣城京介】 (ページ11)

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翌日。

今日は朝練が無いので、のんびりと登校する。

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といっても、生憎の雨に気分はだだ下がり

ついでに、例の手紙のお返事をしなければならないので更に憂鬱。

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降るならもっと豪快に降れば、

いっそ清々しいものを。

今日の雨はシトシトジメジメの弱い雨。

温暖前線がきているのだろうか、なんて。

理科で習いたての知識を引っ張り出してみる。

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あ、違う、梅雨前線だろ。アホか俺。

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水無月。

冒頭に文句を連ねたが、別にこの季節は嫌いじゃない。

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所々に咲く、青、紫、桃色の紫陽花は

雨に濡れてる時が1番綺麗なのだ。

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むしろ雨降って下さいとたまに雨乞いをする。まぁ、機嫌の良い時に限るけれど。

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雨のおかげで丁度良い涼しさ。

これもまた梅雨の良いところだと思う。

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だが、世の奥様方は嬉しくない時期なのだろう。

うちの母さんも「洗濯物が乾かない」とか「カビがでる」とか「髪がくしゃくしゃ」とか

色々と嘆いていた。

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髪については俺には縁のない話だが。

ふ、勝ち組。←

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とか勝ち誇ってると、だんだん雷門が見えてきた。

周りにも、

俺と同じように傘をさした生徒たち。

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雷門は傘の色が指定されていないので、皆カラフルだ。

校舎から下を見ると

雨の日限定・カラフルな花々が見られる事も

梅雨が好きな理由のひとつ。

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だってなんか面白いだろ。

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「濡れるのは嫌だけどな…

梅雨は好きなんだよなー」

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軽い足取りで校門をくぐりながら

鼻歌交じりにゆらゆらと傘を揺らした

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そんなご機嫌状態で向かったのは……もちろん教室だが。

その後に向かうのは、無論図書室。

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時間が短い休み時間は司書さんが受付に座る

(居ない時の方が多いので大体セルフだが)が

朝ならほぼ毎日 A先輩が座っている。

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彼女が昼休みの当番なのは、月曜日と木曜日

放課後の当番なのは、月曜日と火曜日なので

その他の日は朝少し早めに来て

朝じっくりと先輩を眺めるのだ。

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ちなみに、今日は水曜

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え？ストーカー？知ってる(`･ω ･ ´)キリッ

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