story 26 ページ26
*
理解が追いつかず頭の中でぐるぐるやってる俺に、彼女は肩を竦めて言った。
「この変声術は、私の特技。
人の声を真似る事が出来るんだ。
それで…さっき見せた通りマスクをつけたら拓人にそっくりでしょ？
だから、こうやって入れ替わっては、
それぞれの生活を楽しんで遊んでるんだよ」
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「元はといえば、
使用人や父さんがこいつにどことなく冷たいからって、
俺が提案して"拓人"の特権を貸してやってたんだ」
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「それなのに
このサボリ魔のお坊ちゃんときたら
不登校で1日中どこかをぶらぶらしてる私の生活をえらく気に入ったみたいで。
1日だけって約束だったのに、
今もこうして度々入れ替わってるんだ」
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「マスクをつけてた日は、大概俺じゃなくて
こいつが俺の代わりに学校に行ってたんだよ、霧野」
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「ちょ、ちょっと待て、頭が追いつかない」
彼女と神童が交互に言う言葉は、
信じられない事ばかりで
すんなりと頭に入ってこなかった。
ただただ唖然とし、
驚愕に飲み込まれていくばかりだ。
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彼らは、何回も入れ替わっていた……？
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だったら、
今日の神童や今までマスクをつけて登校してた神童、
どことなくおかしかった神童は、
つまり、
この偽神童である女の子だったわけか？
…俺は、
それに全く気づかずに生活してたわけか。
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呆れというか、
違う意味で自分が情けなくなって、うな垂れた。
マジかよ……
俺 女子にペタペタやったり抱きついたりしてたのかよああああああああぁぁぁぁ。
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ズーンと落ち込んでいる俺に
少し苦笑した彼女は居ずまいを正して言った。
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「えぇと、改めまして、霧野。
秋月(アキヅキ)Aです。
中2の同い年で、拓人より誕生日が遅いので
一応こいつの妹という事になります。
よろしくー」
「あぁ…うん……よろしく…」
初対面じゃないのに
よろしくとか言われてもな。
なんて思いながら、
改めてAと神童を見比べていた。
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多少のおかしさはあったけれども、
Aの演じる神童は本物にそっくりだった。
それを見抜けずに、生活してきて
しかも悶々としてきた俺は一体なんなのか。
.
.
.
「…なんだかなぁ…」
ちょっとやるせない気持ちを抱きながら
俺は力なく笑った。
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風詠 麗音(プロフ) - 綾城さん» 返信ありがとうございます！ はい、絶対見に行きます！ この小説の中に出てきた剣城くんと彼女ちゃんの２人の関係が気になってたので、すごく楽しみです！ 時間があいた時絶対見ます！ (2014年4月21日 17時) (携帯から) (
レス) id: 7cd215395b (このIDを非表示/違反報告)
綾城(プロフ) - わああああぁぁぁっ！！///書いて早々コメントが頂けるとは思いませんでした！勿体無いお言葉マジでありがとうございますううぅぅぅー…！！更新頑張りますので、どうぞ次回作も楽しんで下さい！ (2014年4月21日 17時) (レス) id: 5bd9cb7cef (このIDを非表示/違反報告)
風詠 麗音(プロフ) - 初めまして！ 小説面白かったです！ 霧野さんの突っ込みとか面白くて笑ってましたww 次回作も見ようと思います！ 応援してます！ (2014年4月21日 12時) (携帯から) (レス) id: 7cd215395b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾城 | 作成日時：2014年4月20日 17時
