story 22 ページ22
*
今度は、優しく彼の手を取って、
引き寄せるとそのまま抱きしめた。
.
.
「…ごめん」
「へっ？き、霧野っ？」
情けない。
自分が、悔しい。
何も気づけなかった。
こんな近くにいたのに
ずっとそばにいたのに
少しおかしな様子も深く疑わず、のうのうと生活してきたなんて。
俺は＿＿＿＿＿＿＿＿とんでもない大馬鹿だ。
.
.
.
「きっ、ききき、霧野！よ、よく分からないが、そろそろ、離して…くれないか……」
神童の、だんだんと小さくなる声。
離れて顔を上げると、
.
.
「…ふぇ？」
マスク越しでも分かるくらい、
彼の顔は真っ赤で、
目を泳がせて
あわあわと女子のように慌てていた。
.
「……え、あの、神童……大丈夫か？(色んな意味で)」
しばし呆然として呟くと
彼は大袈裟なくらいビクゥッと反応して
「だ、だだだっ、大丈夫だっ！ほんと大丈夫だから！」
「…いや、どう見ても大丈夫じゃないし。
っていうか、熱でも出てきたのか？
顔真っ赤だけど、熱いならマスク取った方が＿＿＿＿＿＿＿＿」
神童が目をぐるぐるさせているので、
心配になって、そう言いながら彼のマスクに手を伸ばした。
.
が、
.
「ああああああぁぁっ！？だ、大丈夫だからっ
熱くないからっ！悪い 今日はもう帰る！」
「はっ？えっ、お、おい神童っ？」
俺の手をパシーンと払いのけると、
彼はマスクを片手で押さえつけると全力ダッシュで走って行ってしまった。
途中で倒れたりしたらどうするんだ、
と慌てて俺も走りだし神童を追う。
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「イナズマイレブン」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
風詠 麗音(プロフ) - 綾城さん» 返信ありがとうございます！ はい、絶対見に行きます！ この小説の中に出てきた剣城くんと彼女ちゃんの２人の関係が気になってたので、すごく楽しみです！ 時間があいた時絶対見ます！ (2014年4月21日 17時) (携帯から) (
レス) id: 7cd215395b (このIDを非表示/違反報告)
綾城(プロフ) - わああああぁぁぁっ！！///書いて早々コメントが頂けるとは思いませんでした！勿体無いお言葉マジでありがとうございますううぅぅぅー…！！更新頑張りますので、どうぞ次回作も楽しんで下さい！ (2014年4月21日 17時) (レス) id: 5bd9cb7cef (このIDを非表示/違反報告)
風詠 麗音(プロフ) - 初めまして！ 小説面白かったです！ 霧野さんの突っ込みとか面白くて笑ってましたww 次回作も見ようと思います！ 応援してます！ (2014年4月21日 12時) (携帯から) (レス) id: 7cd215395b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：綾城 | 作成日時：2014年4月20日 17時
