story 20 ページ20
*
「ぷっくく……」
「あぁもう、笑うなよ！ぼーっとしてただけだっつの」
てくてくとのんびり歩く帰り道。
SHRの出来事を掘り返したら、また笑いだした神童を、ちょっと睨みつけて不機嫌声で言う。
「何がそんなに面白いんだよ、ったく」
「だって、珍しいじゃないか。霧野がぼーっとしてる事も、あんなに慌てる事も」
「そうかぁ？」
「そうだよ。…ぷぷっ。
朝からリア充見せつけられて、妄想でもしてたのか？」
「ち、違うっつの！笑うなっ！」
マスクで顔は見えないが、
こいつ絶対ニヤニヤしてやがる。
こっちの必死の反論も虚しく、ふぅーん と非常に楽しそうに笑う神童。なんか悔しい。
だが、笑いが止むと、
彼は真面目な声で言った。
「でも、ほんとにどうしたんだ？
霧野、今日はなんかおかしいぞ」
…どうやら、こいつには考え事も見透かされているようだ。
が、だからといって
はっきりと言える内容ではない。
神童の顔が見れなくて前を向く。
俯いて灰色のアスファルトを見つめつつ、
呟くように言った。
「…別におかしくないけど。変なのはお前だろ？」
「え、そうか？」
純粋に驚いたようで、
キョトンとして言う神童。
彼が少し首を傾げるのを、
俺は横目にチラリと見た。
そして、それが視界に入った。
＿＿＿＿＿＿＿＿え……？
ピタリと足を止めて、それを凝視する。
並んで歩いていた神童も、数歩先で足を止めてこちらを振り返った。
「…？霧野、どうし…」
「神童」
言葉を遮って、彼を呼ぶ。
そんなまさか、なんて、思いながら。
彼の腕を掴んでこちらに引き寄せて、学ランの襟をめくった。
すると、すぐさま神童の目が見開かれて、
バッと俺の手を振りほどくと少し距離を取った。
俺がめくったところを手で押さええ、
彼は、揺れる瞳で俺を見つめる。
でも、この目は捉えていた。
一瞬見えたものが、不確かな不安を消し去り、
同時にふつふつと憤りが湧き上がる。
「神童、お前＿＿＿＿＿＿＿＿」
聞きたくなかった。
けれど、聞くしかなかった。
「その……首にある、紐で締め付けられたような跡は……一体、何なんだ…？」
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「イナズマイレブン」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
風詠 麗音(プロフ) - 綾城さん» 返信ありがとうございます！ はい、絶対見に行きます！ この小説の中に出てきた剣城くんと彼女ちゃんの２人の関係が気になってたので、すごく楽しみです！ 時間があいた時絶対見ます！ (2014年4月21日 17時) (携帯から) (
レス) id: 7cd215395b (このIDを非表示/違反報告)
綾城(プロフ) - わああああぁぁぁっ！！///書いて早々コメントが頂けるとは思いませんでした！勿体無いお言葉マジでありがとうございますううぅぅぅー…！！更新頑張りますので、どうぞ次回作も楽しんで下さい！ (2014年4月21日 17時) (レス) id: 5bd9cb7cef (このIDを非表示/違反報告)
風詠 麗音(プロフ) - 初めまして！ 小説面白かったです！ 霧野さんの突っ込みとか面白くて笑ってましたww 次回作も見ようと思います！ 応援してます！ (2014年4月21日 12時) (携帯から) (レス) id: 7cd215395b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：綾城 | 作成日時：2014年4月20日 17時
