story 12 ページ12
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「…なぁ、剣城」
「なんですか」
まだまだ暖かな陽気と
涼しげな風が吹く屋上で
後輩と並んで昼飯を食べている昼休み
至って静かで、落ち着いた彼の返事を聞いて
締め付けられるようにキュッとなったカラカラの喉に
そばに置いておいたコーヒー牛乳を一気に流し込んだ俺は、ぽつりと言った
「好きって、どんな感じだ？」
「え」
キョトンとしたような顔で
焼きそばパンを口に運んでいた手を止め
こちらを見る剣城。
…こちらとしては
先輩の威厳と微かな羞恥心を捨てて言ったというのに。なんだその顔は。
「……なんだよ」
「あ、いえ、すみません。
なんか、霧野先輩からそんな質問されるとは思わなくて」
「悪かったなー」
不貞腐れて不機嫌声で言い
ズズーと音を立ててコーヒー牛乳を飲んだ。
一般的に、
モテる=恋愛経験多数
なんて方程式が出来上がってるが
そんなもの全くの間違いだ
現に俺は 彼女いない歴=年齢で
後輩にも負けてるような男だし。
いや別に
自分がモテるって豪語したいわけじゃないんだけど。
剣城は、うぅん…と少し唸ると、言った。
「どんな感じか、ですか…。
一概に言える事じゃありませんけど、
その人とずっと関わっていたいと思ってたら
大概そうなんじゃないですかね」
「関わっていたい…」
ぽつりと反復した。
剣城は、遠くを見据えて
誰かを想い浮かべるように目を閉じて
ふっと目を細めると、呟くように語る。
「＿＿＿＿＿例えば
話したい
触れたい
見つめていたい
抱きしめたい、と
人によってその"関わり"のレベルが変わるし
それがただの友達への感情だったりする事もあって
とても分かりにくいものですけど……
俺はそんなものじゃないかなと思ってます。
というか、霧野先輩も誰かを好きになった時に、多分自覚するから大丈夫ですよ。
俺はこの人が好きなんだな、と」
「…そんなもんか？」
「そんなもんです」
ははっと笑って言う剣城。
こいつは、外見と冷たい雰囲気で
最初は多少近寄りがたいと感じていたけれど
最近は笑う事も多くなったし
なんとなく雰囲気が明るい気がする。
特に、鈴木さんと付き合い始めたあたりから。
薄く頬を赤に染めて
幸せそうに笑う彼の姿は
ただ単純に、羨ましいと思った。
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風詠 麗音(プロフ) - 綾城さん» 返信ありがとうございます！ はい、絶対見に行きます！ この小説の中に出てきた剣城くんと彼女ちゃんの２人の関係が気になってたので、すごく楽しみです！ 時間があいた時絶対見ます！ (2014年4月21日 17時) (携帯から) (
レス) id: 7cd215395b (このIDを非表示/違反報告)
綾城(プロフ) - わああああぁぁぁっ！！///書いて早々コメントが頂けるとは思いませんでした！勿体無いお言葉マジでありがとうございますううぅぅぅー…！！更新頑張りますので、どうぞ次回作も楽しんで下さい！ (2014年4月21日 17時) (レス) id: 5bd9cb7cef (このIDを非表示/違反報告)
風詠 麗音(プロフ) - 初めまして！ 小説面白かったです！ 霧野さんの突っ込みとか面白くて笑ってましたww 次回作も見ようと思います！ 応援してます！ (2014年4月21日 12時) (携帯から) (レス) id: 7cd215395b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾城 | 作成日時：2014年4月20日 17時
