想い ページ41
…♣
先程のげぇむで起こった出来事を簡潔に話した。
クズリューは特に何かを言うこともなく｢そうか｣だけ呟いた。
ビーチに到着して、
私とクズリューは施設の中へ入る。
いつものエントランスに着く。
｢クズリュー今日はありがとう。｣
｢平気だ。Aとゆっくり話してみたかったしな。｣
それじゃあと呟いてクズリューは2階へ向かった。
私とゆっくり話してみたかったと言っていたけど、
全然会話しなかったな…と思いながら、私は
回収したカードを持ってボーシヤの部屋へ向かおうとした。
｢おい｣
後ろの奥の壁から大好きな低い声が聞こえた。
すぐに振り向くと､そこには壁に寄りかかって
腕を組んでいるニラギがいた。
｢ニラギ！こんな時間にどうしたの？｣
私は嬉しくなりニラギのそばに駆け寄る。
｢あんたこそ何してんだよ。｣
片眉を上げながら顔を近付けられる。
｢ｯ！｣
昨日のことが脳裏に浮かびながら、私は
今日のことを話した。
｢それでね、そのアリスくんって男子がすごく頭が良くて
アリスくんのおかげでみんな生き残れたの！｣
｢ふーん｣
ニラギはそう言って首をまわした。
｢ニラギは？こんな時間にどうしたの？？｣
私の問いかけに、ニラギは何も答えずに
どこか一点を見つめていた。
｢なんでもねえよ。今日も排除作業して疲れただけだ｣
じゃあなと言ってニラギは歩きだした。
｢あ、ニラギ待って！これあげる。｣
そう言って私はニラギの手を掴んで、
自分のショートパンツのポケットに手をいれる。
｢これね、お母さんにもらったブレスレットなんだけど
お父さんからもらったやつなんだって…｣
そう言いながら私はニラギの手首に
そのブレスレットをつけながら目を見る。
｢お母さんに、Aが一生そばにいたい人ができたら
その人にこれをあげなさいって言われてもらったの。
…私ね、ニラギがどんなにみんなから嫌われてても
ニラギから離れたいって思わないしずっとニラギの
そばにいたいって思ってるよ。｣
自分でも重いことを言ってるのは理解してる。
でもこの世界にいると、伝えたいことを伝えられないまま
もう二度と会うことができないかもしれない…
そう思ったから、伝えたいことはちゃんと言葉にして
ニラギに伝えたかった。
ニラギは私にされるがまま、手首にブレスレットをつけて
私の言葉を静かに聞いてくれた。
｢あんたさまじで言ってんの？｣
少しだけ低い声で言ったニラギにちょっとだけ緊張する。
続く
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シオリ - ニラギのは少ないのでとても嬉しいので早く続きが見たいです。 (4月27日 21時) (
レス) id: 653f2e7127 (このIDを非表示/違反報告)
おり - とても面白いので続き早く見たいです (3月7日 11時) (レス) id: 5b39725ede (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きゃんちょめ | 作成日時：2024年2月5日 2時
