プレゼント ページ31
…♣
｢あ、クズリュー。｣
私はクズリューに自分の家に行きたいのと
今夜はげぇむに参加したいということを伝えて、
渋谷までどうやって行ったらいいのかを聞いた。
｢それなら、私が車を運転しよう。｣
｢え…？｣
意外な返答に私は驚いた。
｢い、いいの？｣
｢ああ。げぇむも終わるまで車で待っている。｣
お言葉に甘えて、今夜はクズリューの運転で
渋谷へ向かうことにした。
｢A、もう出発をしよう。
ボーシヤには許可を取ったから他のみんなより先に行くぞ。｣
エントランスのソファに座っていたら
後ろからクズリューが声をかけてきた。
車は後部座席に座った。
私がシートベルトをしたのを確認して
クズリューは車を走らせる。
｢ところで、Aはなんでニラギを信じた？｣
10分ぐらいの長い沈黙が破れたと思ったら、
そんなことを聞かれた。
｢ほらハートの2… ハートは裏切りのげぇむだと言われてる。
ほぼ初対面の彼を信じるのは危険じゃないか？｣
クズリューは淡々とした口調で聞いてくる。
｢んーわかんない。｣
｢は？｣
思った答えじゃなかったのか、素っ頓狂な声が聞こえた。
｢わかんないけど、あの状況だったら人って
自分のことしか頭にないと思うんだよね…なのに、
いつの間にか私のポケットにトランシーバー入れてたし
トランシーバー使ってガス車両を教えてくれたし、
もし本当に悪い人だったらそんな事しないって思ったんだよね｣
少しだけ微笑んで言った私に、
クズリューは｢そうか｣だけ呟いて何も言わなかった。
ビーチから20分ぐらいした頃、渋谷区に着いた。
クズリューにマンションの位置を教えて
久しぶりの自宅に帰ってきた。
｢…ただいま〜｣
玄関をあけてリビングへ向かう。
何も変わらない景色に少しだけ寂しくなる。
自分の部屋に入り、クローゼットをあける。
｢たしかこの辺に…あ！あった！！｣
1番奥に赤色の箱を見つけた。
箱をあければ中には中学の卒アルや、
まりなちゃんにもらったハンカチなどがあった
そして綺麗に包装されている小さな箱を見つけた。
まりなちゃんの誕生日にあげる予定だった、
花のデザインをしたバレッタ。
当時を思い出しながら小さな箱をラッシュガードの
大きめなポケットにしまった。
それともう1つお母さんからもらった大事なものを
机の引き出しから取り出して、大好きな顔を思い出す。
｢お母さん…渡す時が来たよ。｣
静かに呟いてからショートパンツのポケットへいれた。
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シオリ - ニラギのは少ないのでとても嬉しいので早く続きが見たいです。 (4月27日 21時) (
レス) id: 653f2e7127 (このIDを非表示/違反報告)
おり - とても面白いので続き早く見たいです (3月7日 11時) (レス) id: 5b39725ede (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きゃんちょめ | 作成日時：2024年2月5日 2時
