よかった ページ27
…♣
｢ニラギ？ニラギって武闘派の？｣
｢ハハッ！あいつが人助けとか絶対ねえだろ｣
黒髪と赤髪の男はそう言って爆笑していた。
寺島も鼻で笑いながら、また私の胸を揉みながら言う。
｢歌城さんってほんと騙されやすいんだね？｣
冷たい目で笑う彼は私の知っている彼ではなかった。
寺島くんは､揉み続けながら
私の首に顔を近付けた。
｢ｯ痛い…！｣
首を吸いつかれ､跡を残したのだとわかった瞬間、
怖くて泣きそうになりながらも私は睨んだ。
｢あんた達なんかより優しいから。｣
私がそう言っても、彼らの耳には届いていないのか
その顔いいね〜！とか興奮してきた！と騒いでる。
このまま行為をしてしまうのではないかと、
弱気になっていると
｢なぁ。てめぇら何してんの？｣
寺島くん達の後ろからとても落ち着いた口調で話す、
聞いたこともないぐらい低い声が聞こえてきた。
寺島くんは動かしていた手を止め騒いでいた2人は黙り、
3人はゆっくりと後ろを振り向いた。
｢あ、いや、あのこれは…｣
｢ちょ､ちょっと遊んでただけで！｣
寺島くんはすごく怯えながら、私から離れた。
目の前の視界が広がり私は助けてくれた彼を見る。
｢ニラギ…｣
そこに立っていたのは､ニラギだった。
大好きな彼が助けてくれて安心したのか、
我慢していた涙が溢れて座り込む。ふと、ニラギと目が合う。
ニラギは襲われていたのが私だと思っていなかったのか
目を丸くした。そのまま視線を少し下にずらして首元を見ると
ニラギは鬼のような形相になった。
｢クソｯ…おい！誰だよ1番楽しんでた奴。｣
さっきよりも怖いニラギに怯えたのか、
黒髪と赤髪の彼等はすぐに寺島くんを指さした。
寺島くんは焦りながらも違う！と反抗していたが、
ニラギは彼の顔やお腹を何回も殴っていた。
もう何も言わず動かない寺島くんを見て
ニラギは他の2人を睨みながら、
｢おいもう二度とこの女に近付くな。｣
｢こいつにも言え。またやったら次は殺す。分かったか？｣
2人はものすごい速さで頷き、
私にすいませんでしたと謝り寺島くんを担いで逃げていった。
｢おい。大丈夫か？｣
座り込んで泣いている私に、ニラギは寺島くんたちみたいに
怖い口調じゃなく優しく聞いてきた。
｢怖かった…｣
そう言って私はニラギに抱きつく。
ニラギは何も言わず私を受け止めてくれた。
そして優しい手つきで頭を撫でてくれた。
｢ニラギ…私のヒーローだね。かっこよかったよ…｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 50人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シオリ - ニラギのは少ないのでとても嬉しいので早く続きが見たいです。 (4月27日 21時) (
レス) id: 653f2e7127 (このIDを非表示/違反報告)
おり - とても面白いので続き早く見たいです (3月7日 11時) (レス) id: 5b39725ede (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きゃんちょめ | 作成日時：2024年2月5日 2時
