tonight.3

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「あれ？瑞穂ちゃん。」





「こんばんは、」







向こうの曲がり角を曲がってきた
北山さんが瑞穂ちゃんに気づいた。






「瑞穂ちゃんもここで待ち合わせ？」



「事務所の人とごはん食べてて、
ちょうど帰るとこです」





「おっ、瑞穂ちゃんじゃん」







ぞろぞろと着いてきたみんなも
瑞穂さんに気づいて立ち話。







「玉森少し遅れるってさ、」





姿が見当たらない裕太は
後から来るって






二階堂くんと瑞穂さんは
仲がいいみたいで。







「よかったら俺らと今から久しぶりにどう？」




「…………私も一緒にいいの？」







瑞穂さんの瞳は、
後で遅れて来る裕太を期待してて。









後ろにいた宮田くんが
ちらっ、と私を見て、
北山くんは、
小さな声で“お前……。”
二階堂くんにため息ついてて。




私に気を遣ってるんだ、って
ものすごく申し訳なくなった。





だから、





「あ、私ちょっと用事思い出して…………、
だからごめんなさい、失礼します」




そう言うと、
複雑な顔をした北山くんと目があった。






わからないように、
“まじごめん、”って。









「…………よし、じゃあ行きますか！
じゃあAちゃんは
後日盛大に快気祝いするから
その日は絶対空けとくんだよ？」



「すみません、ありがとう、」





わざと深く誘わずに
行ってくれた北山くん。







そして、家に帰って
２時間後。







思わぬ人からの初めての電話。







“北山宏光”






さっきの事かな、って
お詫びとお礼しなきゃって出た電話






「…………もしもし、あのさっきは




「Aちゃん、…………ごめん」







“今時間大丈夫？”って前置きして


静かなトーンで、話始めた。









なにを話されるのか
ドキドキする。




きっと、瑞穂さんのことなんだろうけど。







(Aちゃん帰って30分くらいして
玉森が来てさ…………、
Aは？って聞くのよ。
で、用事があったから帰ったって言ったら
すごく不機嫌になってさ。
で、瑞穂ちゃんに“なんでいんの？”って
すげー冷たくて。)







(何も言わない瑞穂ちゃんに、
二階堂が俺が誘ったって庇ってさ。
そしたら、急に“Aのこと脅して楽しいか”って瑞穂ちゃんに言い出して…………。
ごめん、玉森から聞いたわ、写真のこと)








“Aちゃん、大丈夫？”
黙って聞いてる私に、
時折北山くんが優しく確かめてくれる

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