tonight.3

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「………………ん、」




結局そのまま裕太の腕の中で
朝を迎えた。




閉じ込められた腕から身体を抜け出して
首もとに触れれば、




「熱さがってるぅ…………？」




ぼ〜っとした裕太の声が降ってきた。





「うん、触った感じは下がってるかも」


「まじで下がったわ。俺の気合いすごい。」


「気合いで熱は下がりません。」





裕太の自信たっぷりな言いぐさに
顔を見上げれば
ふふ。って得意そうに微笑んでる。





「今日はおうちでゆっくりしよ、」




身体を伸ばす裕太の表情は
昨日より和らいでいて安心した。





「その方がいいよ、
あ〜もう最悪、メイクしたまま寝ちゃったし…
早くメイク落として帰ろう……、」




起き上がろうとすると、




「やだ、」



腕を掴まれて、バランスを崩した。




「私だって嫌よ、
メイク落とさないと
肌が再生するのに１週間かかるらしい……



「帰るの？」



「……………うん、」




「それがやだ、」




ぎゅう。って
足まで絡ませてくるから
苦しいし、痛いくらい。



“ここにいてよ、”



“熱上がってきたかも、”



“そう言えば買い物してきた？”




ポツポツと話しかけてくる。




それでも無視し続ける私。


終いには、


“夜はなにする？ドライブでも行く？”



少し楽しそうにそんな事言うから、




「………だめでしょ、ゆっくりしてないと」




思わず口を出したら




「そう思うならここにいてよ」




うまく場を持っていかれた。






そして、キッチンに立ってる私たち。






「すっごい久しぶりじゃない？
こんな風に１日過ごすの」
　




「確かにそうかも…………、
あ、裕太それ具入れすぎ」





「俺これくらいが好きなんです〜。」






結局夜になって、
いつのまにかふたりで餃子作ってるし。







「２度寝して〜
溜まってたテレビ見て〜
Aは３度寝して〜」





「それは、裕太がテレビ見てるから
つまんなくて寝ちゃったんだもん」






「あれ？構って欲しかった？」





「べ、つ、に！」








買い物帰ってきたら、
またベッドに引き戻されて
だらだら過ごしてしまった。







「やばい、うまい。」


「んんんん！」







ふたりで美味しさに驚愕して。








「……………じゃあね、」



「………………うん、また明日」








帰り際は、少し切ない。

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