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額に触れる柔らかい手思わず握る



ぎゅ、って力が入ったのがわかった。



………困ってる。





だけど、そばにいて欲しい。






しばらく考えたあと、

となりにちょこんと座ったA。







なにも喋らなくても、


Aがここにいるだけでいい。







失って初めて気づくって本当なんだ、




ありきたりだけど。






だせーな、俺。





「なんで、こんなになるまで働いてるの」





そんなの当たり前じゃん、


いつだって理由はA






いつか、必ず迎えにいく。






忘れたことなんてないよ。


Aだって、そう思っててくれたんだろ?








俺の弱いところ全部話した。


俺が俺でいられるのはAがいるから。


Aじゃなきゃ、どんなに強がっても


意味なんてない。









……………だけど、許してくれなかった。






逃げるように部屋を出ていくのを追いかける



Aが俺には必要なんだ、



こっち向いて───────





………遅かった。伝わらなかった。





重い身体、壁にもたれながらリビングに入ると

綺麗になってる部屋。





ハンガーにかけられたシャツ、


畳まれたタオル、


冷蔵庫をあければ色々入ってて。




こんな状況なのに、

久しぶりにあったかい気持ちになってる。






水を飲み干して、

ソファへ腰を下ろすと見慣れない紙袋。






……………?






そのままにしてあったAの物が

丁寧に入ってた。








「…………っ、」







もうあれで最初で最後って決めてたのに。







取り出した

冷たいマグカップの中に、

ぽつん、と雫が落ちる。









Aは俺を強くも弱くもする。








信じる、Aを。


あの日、ずっと待ってるよって


涙こらえながら抱き締めてくれたAを


今度は、俺が待つ。

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ちい★(プロフ) - 「……いい感じ?」とか太輔に言われたい人生だった…!!シャツどこ?とか普通のメンズが言ったらはぁ?ってなる事も太輔が言うと可愛く思えるのなんで?!あやさんさすが!!★ (2020年1月22日 19時) (レス) id: aba16733a8 (このIDを非表示/違反報告)
じゅりみつ(プロフ) - あやさんパスありがとうございました!読ませていただきました(^^)ニヤニヤしたりぎゅーーーんってなって涙流したりほんと素敵な作品でした!!番外編も読んできます! (2017年11月7日 8時) (レス) id: cbc3fa0b60 (このIDを非表示/違反報告)
Tにゃんちゅう(プロフ) - パスありがとうございました!早速また読み返しさせて頂きます! (2017年5月14日 18時) (レス) id: 20176fe050 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうあ - めっちゃ面白かったです!けどちょっと寂しい…(笑)思わず涙が溢れたシーンもあり、感動的なお話でした。本当に微笑ましい主人公ちゃん達を見させて頂きありがとうございました(笑)これからも応援しています。頑張ってください♪新しい作品、更新楽しみにしています♪ (2017年4月7日 17時) (レス) id: efe5cc5820 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - Aさん» 全部読んでくれてたんだね〜(;;)私の2年間のほんのちょっとの上達ぶりがわかるでしょ。笑 いつもコメントありがとう。いまのお話も気長によろしくね。 (2016年11月26日 19時) (レス) id: b34d9690f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あや | 作成日時:2015年9月19日 23時

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