もう一度、恋をしよう。

22 ページ22

薄暗いフロアに重低音の音楽が響く





「うるさ……」





今日はマイに誘われた飲み会の日






先輩に会えるかな、なんて


期待して来てみたけど、






「全然、近づけない……」







向こうのソファのとこで
先輩グループの人たちと一緒に飲んでる



その周りにはかわいい女の子たち。







…………全く入る隙ナシ。






やっぱり遠い存在か。







はぁ、って下向けば





新しいパンプスと

ひらひらと揺れるワンピース。






会えるから、ってちょっと張り切ったのにな






「ごめんね、嫌だよね？」


「ううん。初めて来たから新鮮。笑」




マイがドリンク渡してくれた。




「うわっ、こんな強いの飲んでんの？」



「へっへー。記憶無くすよこれ。」





悪い顔してる。


もう、酒飲みマイめ。





薄暗い部屋とガンガン鳴り響く音楽で

頭がぼーっとして、知らない間にお酒も進む。






「あっ、マイ！こっちこいって！」




楽しくなってきたころ、



先輩の隣に座ってるコウ先輩から
呼び出された。






「こんばんは、」



ちょっとふらつく足

マイとお互い支え合って先輩グループの元へ




「ココアちゃんじゃーん。
来てくれたのマジ嬉しい！
こっち座りなよ！」




コウ先輩が玉森先輩との間空けてくれた。




ちら、って先輩と目が合って




「こんばんは、」




挨拶すると、




「よっ。どーぞ。」



って、先輩も少し座るスペース空けてくれた。




マイはコウ先輩を挟んで向こうに座っちゃって


ちょっと心細い。



ちょこん、って座った瞬間




「で？ココアちゃんは
今彼氏いるんですかー？」



肩にぐる、って手を回されて

背中がぞくっとした




「い、いません……」




コウ先輩、完璧酔っちゃってるし距離近い。




「え、いない？じゃあ、立候補しよっかな。
あ、なんかココアちゃんに持ってきてやって」




後輩にお酒取りにいかせたコウ先輩

はい、ってもらったグラスに口付ける





うわ、これも強めだな……




さっきからコウ先輩もぐいぐいくるし。


隣に玉森先輩いるのに、


こうゆうとこ見せたくないな…………








隣の玉森先輩を横目で確認。









「ね、ね、玉森くん。連絡先教えてよ。」



「あー、あとでね。店で充電してもらってるから手元に持ってない。」





玉森先輩の向こうには
色気漂いまくりの先輩女性。




…………こうゆうとこも見たくない。

23→←21

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す