♯6 ページ7
IDOLiSH7は最後まで…全力で、パフォーマンスを披露した。
アイドルのモチベーションを下げるには十分過ぎる条件が揃っていたというのに。
その場にいる、数少ない観客を楽しませるためだけに…少しの手抜きもしないで。
勿論…彼等は未だ、デビューもしていない新人アイドルであり…
パフォーマンス技術もプロに比べればまだまだ低く、演出も良くはあったが…未だ素人の域を脱してはいない程度のレベルだろう。
しかし…そんな拙い彼等のパフォーマンスが、海の胸の奥を熱くしたらしい。
♪〜♪〜♪〜
海は数年ぶりに、その美しい声で歌を歌い、全力でステップを踏んでいた。
IDOLiSH7が放つ、無数の輝きに導かれるように。
「…海くん…。」
尊も、それを心底幸せそうな顔で…ただその姿を見守っていた。
この世で最も大切だと言っても、過言ではない…愛おしい友人の幸せそうな表情がただただ嬉しいのかもしれない。
それから、海は暫く歌い…踊り続け、尊は暫くそれを幸せそうに眺めているという穏やかな時間が続いた。
その光景は、とても美しく…まるで2人だけの世界を生きているように見えて…
何処と無く神秘的だったことを本人たちはきっと知らない。
今わかることは、IDOLiSH7のパフォーマンスが海の心を動かし…たしかに尊を幸せにした、という事実だけだろう。
ーーーー
「はい、海くん。水分補給をしてね。汗…いっぱいかいてるから。ほら…タオルも使って？未だ少し肌寒いから汗を拭かないと風邪をひくよ？」
随分と久しぶりに思う存分に歌い、踊ったからだろうか。
大量に汗をかき、息を切らせながら…その場に座り込んでいる海に、尊は自販機で買ってきたスポーツ飲料を手渡し…
持参していたタオルを海の雪のように白いその頭に被せた。
『…ありがとう。』
そのことに対し、海がきちんと礼を言うと…
「君が素直にお礼を言うなんて、明日は槍が降るね。」
尊が軽口を言い、海がまた不機嫌になる。
そんな…仲が悪いようで、とても仲良しという複雑な関係の2人らしいやり取りに、先程のような神秘的な雰囲気はなく…
ただただ、平穏な時間だけが流れていた。
まるで…先程、海が歌い踊っていたこと全てが…
あの浮世離れした時間が、夢であったかのように。
しかし…
「…すっげー！」
「海にぃ…超カッコいい…！」
「兄さん、七瀬さん！見つかってしまいます！前のめりにならないで…あ。」
それは決して、夢などではない。
そう告げるように…あの美しい時間の共有者たちが現れた。
先程…海の心を動かした張本人。
『陸…』
IDOLiSH7である。
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月(プロフ) - キャベツの芽さん» はじめまして！コメントありがとうございます！尊くんもちゃんと受け入れられていて、大好きだと言ってもらえる程だと知れて安心しました！本当にありがとうございました！ (2019年5月24日 17時) (
レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
キャベツの芽(プロフ) - 初めまして|´-`)ﾁﾗｯ海くんも尊くんも大好きです！！これからも楽しみにしております！！ (2019年5月24日 14時) (レス) id: 270caf8b44 (このIDを非表示/違反報告)
月(プロフ) - Suiさん» コメントありがとうございます！これからも海くんのことを温かい目で見守ってくださればと思います。 (2019年3月26日 23時) (レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
Sui - 続きがすっごい気になります!更新頑張って下さい！ (2019年3月26日 21時) (レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)
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